アジサイ 灰色かび病
アジサイを育てていると、葉が変色してくることがあります。
アジサイは基本的にとても丈夫な植物ですが、
何かの病気にかかることで、葉などに症状が出るようになります。
症状にも様々な種類があるので、よく観察してどの病気なのかを知ることが大切です。
アジサイがかかりやすい病気の中に、灰色かび病というものがあります。
もしアジサイが灰色かび病になると、どのような症状が出るのでしょうか。
また、症状が出ないようにするためにできること、
症状が出てしまった時にできることは、何かあるのでしょうか。
[アジサイ 灰色かび病]
■主な症状
・葉の変色
灰色かび病は、アジサイだけでなく様々な植物がかかる病気です。
どの植物がかかっても、よく似た症状が出ます。
アジサイの場合は、葉が変色するという症状が多いです。
最初はそれほど大きくありませんが、
ふと気づくと葉の一部が淡い茶色から灰色に変色します。
葉のどの位置から症状が出るかは、その時々で変わります。
変色する範囲や形も様々ですが、特徴的なのは色です。
アジサイが何かしらの病気にかかると、葉に症状が出ることが多いです。
その多くは、褐色の病斑です。
ところが、灰色かび病の症状として出る変色は、
病斑よりも形がはっきりしておらず、かつ色が薄いです。
この変色の症状は葉に出やすいですが、花や枝などで起こる場合もあります。
・萎れ
灰色かび病の症状が枝に出た場合、
症状が出た箇所より上の葉が萎れるという症状が出ます。
これはカビによって枝の内部まで傷み、うまく養水分が運べなくなるためです。
そうなった場合、萎れの症状が出た部分が復活する可能性は低いです。
■主な原因
・散った葉や花が触れる
灰色かび病の原因となる菌は、普段から周囲に存在しています。
カビの仲間なので、どこから菌がやってくるということはありません。
その菌が増殖するきっかけとなるのが、菌が付着したものが重なる時です。
花が咲いた後、花びらが散った時に葉や枝にくっつくことがあります。
その花弁に灰色かび病の菌がついていると、その重なった部分で増殖が始まり、
目立った症状が出るようになります。
アジサイの場合、花弁がはらはらと散るというイメージはありません。
けれど、花房部分は花弁が密になることもあるので、注意が必要です。
また、重なるのは葉と花弁だけではありません。
葉と葉が重なる、落葉した葉が枝に引っかかった状態で残るといった状態も、
灰色かび病が発生しやすい条件です。
・湿気が高い
灰色かび病の原因となる菌は、カビの仲間です。
そのため、湿度の高い場所を好み、そういった場所では活動が活発になります。
環境として風通しの悪い場所もそうですが、水はけの悪い土で育てている場合も、
湿気がたまりやすくなります。
■対策
・不要な花ガラや葉を取り除く
灰色かび病の発生を防ぐためには、終わった花ガラや落ちた葉を放置せず、
キレイに取り除いておくことが大切です。
早くに片付けておけば、重なった部分からカビが発生する可能性も低くなります。
また、症状が出ている葉なども、早くに取り除いておきましょう。
もし症状が出ている葉が落ちら場合は、放置せずにすぐ取り除いて処分します。
放置していると、今度はそこが感染源となります。
・風通しの良い環境
アジサイを育てる時は、風通しの良い環境を作ります。
アジサイはじめじめした環境を好むと思われがちですが、そんなことはありません。
むしろ適度に風通しが良い環境の方が、
病気や害虫などのトラブルも少なくて済みます。
周りが塀などで囲われている場所や、風だまりになるような場所は、
湿気が溜まりやすい環境といえます。
人工物だけでなく、植物がうっそうと茂っているような場所も、
湿気が溜まりやすいので注意します。
・土の水はけを良くする
土の水はけが悪いと、土が常に湿気た状態となります。
そのため、土から湿気が上がりやすく、株元などが多湿になることが多くなります。
アジサイは水切れを嫌う植物ですが、常に湿気た状態が良いわけではありません。
水やりをした後、何日も湿った状態が続くと、
地下の根が傷んで根腐れを起こすこともあるので、注意が必要です。
栽培する時は、水もちはもちろん、水はけも良い状態を目指しましょう。
・適度に剪定する
周りの環境も問題なく、土も水はけが良い状態であっても、
アジサイ自身の枝が混みあっていると、湿気がこもりやすくなります。
古い枝や不要な枝は、根本から間引くように剪定します。
大株に育っているものなどは、内側の枝が切りにくくなることも多いので、
意外と内部が混みあっていることが多いです。
落葉期であれば、枝の状態も見やすくなるので、一度枝ぶりを確認してみましょう。
内側が混みあっている場合は、根本から枝を切って間引きます。
間引き剪定をすることで、風通しも日当たりも良くなるので、
花房のサイズが大きくなるといったメリットがあります。
ただし、枝の上部を切る剪定を行う場合は、7月中に行います。
落葉中に切ると、次のシーズンに咲く予定だった花芽まで切ることになります。
・薬剤散布
灰色かび病の菌は、幸いにもあまり強くありません。
また、効果のある薬剤も多いので、症状が出ていることを見つけたら、
薬剤によって治療することも可能です。
すでに変色や萎れといった症状が出ている部分は、
残念ながら薬剤を使っても元には戻りません。
そのため、症状が出ている箇所は取り除いておきます。
枝の一部を失うことにはなりますが、それ以上に被害が広がるのを防ぐことができます。
また、以前に灰色かび病が発生したエリアでは、
予防的に薬剤を散布しておくのもお勧めです。
灰色かび病自体は、あらゆる植物で発生する病気なので、
近くで育てている植物が灰色かび病になっていた場合も、
予防として散布しておくのがお勧めです。
薬剤を選ぶ際は、灰色かび病に効果があり、
アジサイなどの花卉類に使用できるものを選ぶようにします。
ホームセンターなどでも簡単に購入できますし、
散布しやすいスプレータイプであれば、初心者の方にもお勧めです。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方