アジサイ アブラムシ
アジサイは花の時期は華やかで、
梅雨の間に健気にも美しい花を咲かせてくれるため、とても人気です。
しかも、見た目が美しいだけでなく、性質も丈夫で育てやすいです。
そんなアジサイであっても、時には害虫に悩まされることがあります。
中でもアブラムシは、色々な植物につく害虫と知られていて、
アジサイでも発生することがある厄介な害虫です。
アジサイ栽培中にアブラムシが発生したら、どうすれば良いのでしょうか。
また、防ぐ方法はあるのでしょうか。
[アジサイ アブラムシ]
■アブラムシとは?
アブラムシは、色々な植物につく害虫として有名です。
体は小さく、ゴマのような形をしています。
色は種類によって異なり、明るい黄緑のものが一般的です。
他にも赤っぽい色や茶色っぽい色、黒っぽい色のアブラムシもいます。
色が緑のものは、アジサイの若い枝や葉についていると見つけにくく、
発見が遅れることも多いです。
繁殖力が非常に強いので、気づいた時には、
枝にびっしりアブラムシがついていた、という場合もあります。
アブラムシは、葉をむしゃむしゃ食べるというよりも、
針のような口を葉や枝に刺しこんで、汁を吸うタイプの害虫です。
そのため、見た目にははっきりとした被害が出ず、数が増えてから体力を奪われ、
生育不良になるというパターンも多いです。
・被害
アブラムシは吸汁タイプの害虫で、しかも1匹の体はとても小さいので、
数が小さいうちは被害らしい被害も出ません。
体が小さい分、発見も遅れやすいので、
気づいた時には葉や枝にびっしりとアブラムシがついていたり、生育不良になります。
汁を多く吸われて体力を奪われたアジサイは、病気にかかりやすかったり、
害虫に狙われやすくもなるので、油断できません。
・発生時期
アブラムシの発生時期は、春と秋がメインです。
ただ、アジサイは夏も明るい日陰や、
半日陰といった涼しい場所で育てられていることが多く、
場合によっては年中発生する可能性があります。
■アブムラムシの予防方法
・苗を観察
アブラムシは、アジサイがまだ小さいうちから、
古株になるまで発生の可能性があります。
新しい苗を購入した場合、その苗にアブラムシがすでについていると、
それが知らない間に増殖し、小さいまま枯れることもあります。
新しく購入した苗は、植え付け前に苗チェックをしておきましょう。
アブラムシは、新芽付近や葉の裏、枝の基部などにつきやすいです。
植え付ける前にそういった部分を細かく観察し、
アブラムシがついていないかを確認しておきましょう。
・忌避できるものを設置
アブラムシは体が小さく、しかも様々な植物につく害虫です。
そのため、どこからやってくるのか予測するのが難しく、完全に予防するのは至難の業です。
しかもアジサイは花を楽しむ植物のため、
防虫ネットなどをかぶせるのは現実的ではありません。
そのため、できるだけ寄り付かないようにするのが基本です。
黄色いテープを設置して粘着部分に誘引したり、
銀線などを近くに設置して忌避する方法があります。
また、アブラムシに効果のある薬剤を、
予防的に土にまいておく方法も手軽なのでお勧めです。
■アブムラムシの駆除方法
・粘着テープで捕殺
アブラムシの数が少ないうちは、粘着テープでくっつけて捕殺するのが早いです。
数が少ないうちに捕殺することで、意外なほど早く解決することが多くあります。
早いうちに捕殺するのが効果的なので、こまめな見回りも欠かせません。
そして見つけたら、すぐに捕殺しておきましょう。
数が少ないうちなら、捕殺の手間も少なくて済みます。
・薬剤散布
すでに数が増えている場合や、
捕殺するのが難しいという場合は、薬剤を使って駆除します。
薬剤の中には、天然由来のものもあり、アブラムシを包み込んで駆除するので、
薬剤を使うのに抵抗がある方にもお勧めです。
薬剤を購入する場合は、必ずアブラムシに効果があり、
アジサイに使えるものを選ぶようにします。
適応していないものを使うと、薬害が出てしまい、
アブラムシ以上の被害が出る可能性が出てきます。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方
アジサイ 灰色かび病
アジサイを育てていると、葉が変色してくることがあります。
アジサイは基本的にとても丈夫な植物ですが、
何かの病気にかかることで、葉などに症状が出るようになります。
症状にも様々な種類があるので、よく観察してどの病気なのかを知ることが大切です。
アジサイがかかりやすい病気の中に、灰色かび病というものがあります。
もしアジサイが灰色かび病になると、どのような症状が出るのでしょうか。
また、症状が出ないようにするためにできること、
症状が出てしまった時にできることは、何かあるのでしょうか。
[アジサイ 灰色かび病]
■主な症状
・葉の変色
灰色かび病は、アジサイだけでなく様々な植物がかかる病気です。
どの植物がかかっても、よく似た症状が出ます。
アジサイの場合は、葉が変色するという症状が多いです。
最初はそれほど大きくありませんが、
ふと気づくと葉の一部が淡い茶色から灰色に変色します。
葉のどの位置から症状が出るかは、その時々で変わります。
変色する範囲や形も様々ですが、特徴的なのは色です。
アジサイが何かしらの病気にかかると、葉に症状が出ることが多いです。
その多くは、褐色の病斑です。
ところが、灰色かび病の症状として出る変色は、
病斑よりも形がはっきりしておらず、かつ色が薄いです。
この変色の症状は葉に出やすいですが、花や枝などで起こる場合もあります。
・萎れ
灰色かび病の症状が枝に出た場合、
症状が出た箇所より上の葉が萎れるという症状が出ます。
これはカビによって枝の内部まで傷み、うまく養水分が運べなくなるためです。
そうなった場合、萎れの症状が出た部分が復活する可能性は低いです。
■主な原因
・散った葉や花が触れる
灰色かび病の原因となる菌は、普段から周囲に存在しています。
カビの仲間なので、どこから菌がやってくるということはありません。
その菌が増殖するきっかけとなるのが、菌が付着したものが重なる時です。
花が咲いた後、花びらが散った時に葉や枝にくっつくことがあります。
その花弁に灰色かび病の菌がついていると、その重なった部分で増殖が始まり、
目立った症状が出るようになります。
アジサイの場合、花弁がはらはらと散るというイメージはありません。
けれど、花房部分は花弁が密になることもあるので、注意が必要です。
また、重なるのは葉と花弁だけではありません。
葉と葉が重なる、落葉した葉が枝に引っかかった状態で残るといった状態も、
灰色かび病が発生しやすい条件です。
・湿気が高い
灰色かび病の原因となる菌は、カビの仲間です。
そのため、湿度の高い場所を好み、そういった場所では活動が活発になります。
環境として風通しの悪い場所もそうですが、水はけの悪い土で育てている場合も、
湿気がたまりやすくなります。
■対策
・不要な花ガラや葉を取り除く
灰色かび病の発生を防ぐためには、終わった花ガラや落ちた葉を放置せず、
キレイに取り除いておくことが大切です。
早くに片付けておけば、重なった部分からカビが発生する可能性も低くなります。
また、症状が出ている葉なども、早くに取り除いておきましょう。
もし症状が出ている葉が落ちら場合は、放置せずにすぐ取り除いて処分します。
放置していると、今度はそこが感染源となります。
・風通しの良い環境
アジサイを育てる時は、風通しの良い環境を作ります。
アジサイはじめじめした環境を好むと思われがちですが、そんなことはありません。
むしろ適度に風通しが良い環境の方が、
病気や害虫などのトラブルも少なくて済みます。
周りが塀などで囲われている場所や、風だまりになるような場所は、
湿気が溜まりやすい環境といえます。
人工物だけでなく、植物がうっそうと茂っているような場所も、
湿気が溜まりやすいので注意します。
・土の水はけを良くする
土の水はけが悪いと、土が常に湿気た状態となります。
そのため、土から湿気が上がりやすく、株元などが多湿になることが多くなります。
アジサイは水切れを嫌う植物ですが、常に湿気た状態が良いわけではありません。
水やりをした後、何日も湿った状態が続くと、
地下の根が傷んで根腐れを起こすこともあるので、注意が必要です。
栽培する時は、水もちはもちろん、水はけも良い状態を目指しましょう。
・適度に剪定する
周りの環境も問題なく、土も水はけが良い状態であっても、
アジサイ自身の枝が混みあっていると、湿気がこもりやすくなります。
古い枝や不要な枝は、根本から間引くように剪定します。
大株に育っているものなどは、内側の枝が切りにくくなることも多いので、
意外と内部が混みあっていることが多いです。
落葉期であれば、枝の状態も見やすくなるので、一度枝ぶりを確認してみましょう。
内側が混みあっている場合は、根本から枝を切って間引きます。
間引き剪定をすることで、風通しも日当たりも良くなるので、
花房のサイズが大きくなるといったメリットがあります。
ただし、枝の上部を切る剪定を行う場合は、7月中に行います。
落葉中に切ると、次のシーズンに咲く予定だった花芽まで切ることになります。
・薬剤散布
灰色かび病の菌は、幸いにもあまり強くありません。
また、効果のある薬剤も多いので、症状が出ていることを見つけたら、
薬剤によって治療することも可能です。
すでに変色や萎れといった症状が出ている部分は、
残念ながら薬剤を使っても元には戻りません。
そのため、症状が出ている箇所は取り除いておきます。
枝の一部を失うことにはなりますが、それ以上に被害が広がるのを防ぐことができます。
また、以前に灰色かび病が発生したエリアでは、
予防的に薬剤を散布しておくのもお勧めです。
灰色かび病自体は、あらゆる植物で発生する病気なので、
近くで育てている植物が灰色かび病になっていた場合も、
予防として散布しておくのがお勧めです。
薬剤を選ぶ際は、灰色かび病に効果があり、
アジサイなどの花卉類に使用できるものを選ぶようにします。
ホームセンターなどでも簡単に購入できますし、
散布しやすいスプレータイプであれば、初心者の方にもお勧めです。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方
アジサイ うどんこ病
アジサイを育てていると、何かしら異変に気付くことがあります。
葉の表面に、白っぽい粉のようなものがついていたら、それはうどんこ病かもしれません。
アジサイがうどんこ病にかかると、どのような症状が出るのでしょうか。
また、うどんこ病にかかった時には、どう対処すれば良いのでしょうか。
[アジサイ うどんこ病]
■主な症状
・白い粉のようなもの
うどんこ病の特徴は、葉に白い粉をふったようになる症状です。
この粉のようなものが、うどんこをまぶしたように見えることから、
うどんこ病と呼ばれるようになりました。
白い粉がつく症状は、葉の表面に主に出ます。
最初は少量がのっているだけに見えていますが、
進行すると白い粉の範囲が広くなり、さらに白の色も濃くなっていきます。
葉自体の色も悪くなっていき、最終的には落葉します。
1枚の葉だけに症状が出るわけではなく、
症状が進むうちに周りにも飛散して感染が広がります。
■主な原因
・冷涼で乾燥した環境
うどんこ病の原因となる菌は、カビの仲間です。
特別な菌というわけではなく、空気中に浮いているような、よくいる菌です。
そのため、第一感染源がどこかというのは、特定が難しいものです。
どこから菌がやってきて、どのように感染するか予測ができないので、
どの株も感染の可能性があると考えておきましょう。
うどんこ病の菌は、20度~25度くらいという比較的冷涼な気温を好みます。
カビの仲間と聞くと、じめじめとした環境を好むのかと思われがちですが、
意外なことに乾燥した環境を好みます。
そのため、涼しくて乾燥している時期に発生しやすく、
春や秋口に発生しやすい病気でもあります。
葉に白い粉が発生した後、
雨が降るとその水滴が飛散することでも菌が広がるため、注意が必要です。
■対策
・被害が少ないうちに対処
うどんこ病自体は、発症後すぐにアジサイが枯れてしまうような、
そんな強い病気ではありません。
発生初期のうちにきちんと対処することで、十分完治できる可能性があります。
症状の出ている葉がまだ1枚か2枚のうちであれば、
症状が出ている葉だけを切り取ることで、菌を物理的に離すことができます。
取り除いた葉は放置せず、必ず処分します。
アジサイは葉を摘んでも、次々の発生するというタイプの植物ではありませんが、
数枚程度であれば摘み取っても問題はありません。
むしろ症状が進んで感染が広がると、光合成ができない葉が増えて、
さらに状態が悪くなります。
そうなる前に、症状の出ている葉を摘んで、発生源をなくしておきましょう。
・乾燥を和らげる
うどんこ病が発生する時、空気が乾燥していることが多いです。
空気が乾燥しているなと感じたら、葉水を与えて湿度を上げましょう。
ただし、症状がすでに出ている状態のまま葉水を与えると、
症状の出ている葉からしたたった水滴が触れることで、
別の葉に症状が広がることがあります。
症状がすでに出ている場合は、症状の出ている葉を摘み取ってから葉水を与えるか、
ひどい場合には薬剤を使って治療を開始します。
・薬剤の散布
まだうどんこ病が発生していないうちでも、発生初期でも、
すでに症状がひどくなっている場合でも、薬剤の散布は効果があります。
薬剤を散布する場合でも、症状がまだ軽いうちの方が、効果が早く出ます。
使える薬剤の種類も多く、ホームセンターでも購入が可能です。
ベニカスプレーなどであれば、初心者でも使いやすいスプレータイプなのでお勧めです。
・晩秋の発生したら
落葉間際の晩秋にうどんこ病が発生した場合は、その後すぐに落葉してくる時期なので、
無理に薬剤を使わず、そのまま様子を見るということもできます。
症状の出ている葉は寒さによって落ち、次の春にはキレイな葉が出てきます。
ただし、落ちた葉は必ず処分しておきます。
そのまま放っておくと、そこで越冬して春以降に再び症状が出始めることがあります。
症状が軽い、数枚しか出ていない場合は、自然に落葉するのを待たず、
症状の出ている葉だけを先に摘み取るのも良いでしょう。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方
アジサイ 花の色を変えるには
コットンキャンディー、白からピンクに色が変わります、
この場合は、赤が出るよう肥料や土を変えています
アジサイといえば、青や青紫などの青系と、
ピンクや赤紫などの赤系を思い浮かべることが多いかと思います。
アジサイの鉢花の販売が盛んな時期に、ホームセンターや園芸店では、
同じ品種なのに青系の花と赤系の花の両方が売られていることがあります。
それぞれ同じ系統で、赤と青に分けて確立した種というわけではありません。
アジサイの花は、土の酸性度によって青系や赤系に変わります。
酸性に傾いた土では青系に、アルカリ性に傾いた土では赤系に変わります。
何年か育てたアジサイが、最初とは違う色の花を咲かせるようになるのは、
土の酸性度が変わったのが原因であることがほとんどです。
では自分好みの色に仕上げるには、どのようにすれば良いのでしょうか。
アジサイ 挿し木苗の冬越し
冬越しして展開してきたアジサイ
アジサイを育てていると、剪定で切った枝が惜しい、
大切なアジサイを増やしたい、枯れた時のための予備に、
挿し木をしたいことがありますね。
いずれの場合でも、挿し木が成功した時に必ず訪れるのが、冬越しです。
アジサイはもともと寒さに強い植物ですが、
挿し木から育てた苗は、どのように冬越しをすれば良いのでしょうか。
アジサイの育て方 12月
アジサイは12月になると完全に落葉してしまいます
12月、これから本格的な寒い冬の時期を迎えますが、
アジサイは、どのように栽培管理するとよいのでしょう?
常緑 アジサイ 冬
常緑のトキワアジサイ
アジサイといえば、梅雨の時期に花を咲かせ、
冬は落葉して春にまた芽吹く、というイメージがあります。
ところが、冬も葉を落とさない、常緑の品種があるのです。
もともと常緑の性質を持った品種をさらに改良し、観賞価値を高めた品種もあります。
冬も常緑のアジサイには、どのような品種があるのでしょうか。
冬 アジサイ 白
ハルハル C)グリーンギャラリーガーデンズ
アジサイといえば、初夏に咲くイメージがあります。
特に梅雨時期のような、雨の中で咲くアジサイは、とても風情があります。
けれど、近年じわじわと人気が高まっているのが、冬アジサイです。
冬アジサイというのは品種名ではなく、冬に花を咲かせるアジサイ品種の総称です。
初夏が花期のアジサイが、冬にも花を咲かせるというのはとても面白いです。
そんな冬アジサイですが、実はまだ品種は多くありません。
一般的なアジサイは、とても品種が多く、色の幅も広いです。
冬アジサイには、白い花を咲かせる品種があるのでしょうか。
アジサイの育て方 11月
アジサイ 鉄欠乏
アジサイはとても美しく、日本でも古くから親しまれています
海外でも人気が高く、日本から渡ったアジサイが海外で品種改良され、
ゴージャスな西洋アジサイとして日本に戻ってきました。
日本でも改良が続けられているため、毎年新しい品種が出るほどです。
そんなアジサイですが、育てていると異変に気付くことがあります。
その原因の1つが、鉄欠乏です。
アジサイの鉄欠乏は、なぜ起こるのでしょうか。
また、何か対処法はあるのでしょうか。