サクソン 未希
サクソン 未希
サクソン 未希(みき)は、ドイツのクーネ社というハイドランジア育種専門農場が作った、
西洋アジサイの品種です。
西洋アジサイらしいボリューム感があるものの、
どこか清楚な雰囲気を持っています。
サクソン 未希の特徴と、育て方のポイントをご紹介します。
[サクソン 未希]
■サクソン 未希の特徴
・ふわふわの花房
サクソン 未希は、装飾花が玉状に集まって咲く、
テマリ咲きタイプのアジサイです。
一般的なアジサイといえば、中心に小さな両性花が集まり、
その周りを装飾花が囲む、ガク咲きというタイプです。
どちらもとても美しいですが、近年はテマリ咲きの方が人気です。
サクソン 未希は、東日本大震災を思い返し、
未来に希望をという気持ちをこめて作られました。
その未来と希望から一文字ずつとり「未希」という名がつけられました。
未来への希望が詰まったサクソン 未希は、一重咲きで、
花弁の先端がやや尖った形をしているのが特徴です。
花弁の枚数は、4枚~5枚と多くはありませんが、
花弁自体が丸みを帯びているので、シャープな雰囲気というよりも、
柔らかな印象です。
複数の装飾花が玉状に集まっていますが、
装飾花の数自体は特別多いわけではありません。
かといって、散漫になっている風でもなく、ブーケのようにふんわりとよくまとまります。
・どこまでも柔らかい花色
サクソン 未希は、花房の形や装飾花1つ1つの形がふんわりとしていることに加え、
花色も柔らかです。
花色自体は、土の酸度によって変わります。
アルカリ性になっていればピンクに、酸性になっていれば薄紫になります。
どの色の咲かせても、透明感があって柔らかな色をしています。
蕾から花弁が開いた時は、まだ白が強い色をしていますが、
そこから徐々に色が入っていきます。
花弁の外側から中心に向かって色が薄くなり、花の中心には白が残ります。
中には、花の中心近くまで色が入るものもあります。
この色の変化を毎日眺め、感じることができるのも、自宅で育てる楽しみです。
花弁の縁に、ごくごく細い縁取りが入りますが、
この縁取りは個体差によって、出やすいものと出にくいものがあるようです。
縁取りのある花が欲しい方は、開花中の中から、
縁取りのある一鉢を選びましょう。
・意外とがっしりとしたコンパクトな株姿
サクソン 未希の目立った特徴は、花の柔らかさだけではありません。
近年人気が上昇している、黒軸のアジサイ品種という点も、かなり特徴的です。
一般のアジサイは、茎が緑色をしています。
年数が経った枝に関しては、木質化してベージュっぽい色になっていることもありますが、
サクソン 未希はまったく違った色をしています。
普通は緑色のはずの枝が、非常に濃い紫色をしているのです。
色がとても濃いため、遠目から見ると黒色に見えます。
もちろん、緑色の枝も良いのですが、黒軸であるがゆえに、花色の柔らかさを強調し、
花がなくなった後も葉の緑と相まって、花のない寂しさも感じません。
葉の色は、一般のアジサイよりもやや濃いです。
黒色の軸と対比させると、それほど濃いようには見えません。
葉の大きさも、一般のアジサイと同じくらいです。
花の印象がふんわりとしている分、繊細なように見えますが、
実はとてもがっしりとした株姿をしています。
枝は適度な太さがあり、強度もきちんと備わっているので、
花が咲いても折れる心配はありません。
花付きは良い品種ですが、そのために枝が倒れることも稀なので、
支柱なしで栽培が可能です。
鉢植えなどで枝が倒れそうで不安な場合は、
あんどん支柱を使って支えてあげると良いでしょう。
サクソン 未希は、品種の特性として、コンパクトに育つように作られています。
そのため、鉢植えでも難なく育てることができ、毎年美しい花を楽しめます。
もちろん、庭植えにすることも可能です。
もともとコンパクトに育つので、急激に大株に生長することはありませんが、
毎年ゆっくり枝数と花数を増やす様子を楽しめます。
■サクソン 未希の育て方のポイント
育て方は、一般のアジサイと同じです。
土の酸度によって花色が変わりますが、どの色に咲かせても美しいです。
咲かせたい花色がある場合は、酸度の調整をしましょう。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方