ノリウツギ
ノリウツギ
ノリウツギは、漢字では糊空木と書きます。
これはノリウツギの樹液が、和紙を漉く時の糊に使われていたからだそうです。
空木という字が入っていますが、通常のウツギのように枝の中心が空洞ではなく、
スポンジのような状態になっています。
ノリウツギは、もともとは日本に自生しているアジサイの仲間ですが、
園芸用に品種改良されたものも見られるようになってきました。
自生していたものや、園芸品種も、
人気が高まっているノリウツギの特徴と育て方のポイントをご紹介します。
[ノリウツギ]
■ノリウツギの特徴
ノリウツギの花は両性花が主体となっています。
山や林に自生していますが、ヤマアジサイとはまた違った魅力があります。
ヤマアジサイが全体的に小ぶりで楚々とした印象が強いのに対し、
ノリウツギは花の主張が強く目立つ存在です。
ノリウツギは放任で育てると、
背丈も高くなる上に、花房がとても大きいので見栄えがします。
花房は一般的なアジサイのような、てまり咲きやガク咲きではなく、
どちらかというとカシワバアジサイのような円錐形をしています。
たくさんの両性花が円錐形に集まって咲き、その中に不規則に装飾花が咲きます。
装飾花の数はあまり多くなく、点々といった風に咲きます。
両性花は一般的なアジサイの両性花に比べると少し大きく、
しべも長いので、両性花が咲き進むとふさふさとした印象になります。
装飾花は花弁が4枚で、丸みを帯びた形をしているので、
花房が大きく目立つ割りに可愛らしく見えます。
12月、凍るノリウツギ
ノリウツギの色は基本的には白ですが、
品種によっては黄緑からクリーム色へ変色するものもあります。
また花もちがとても良いので、秋まで咲き続けることも多く、
だんだんと寒くなってくると、枯れずに残った花はさらに色を変え、
濃いピンク~赤色に変化します。
特に寒冷地など、早くに気温が下がる地域では、赤い色がキレイに出せます。
ライムライト C)コピスガーデン
ノリウツギの園芸品種である「ミナヅキ」と「ライムライト」は、
両性花がなく装飾花のみで円錐形の花房ができあがります。
ミナヅキは白花ですが、ライムライトは黄緑色の花が咲きます。
ライムライトは咲き進むと、黄緑からクリーム色に退色し、
その後ピンク~赤に変化するので、長い花期を飽きずに楽しめます。
ノリウツギの葉は一般的なアジサイよりも少し小さいですが、
株が大きくなるにつれ葉も大きくなる傾向があります。
葉の縁にはぎざぎざが入りますが、
普通のアジサイよりもかなり細かい切れ込みが入っています。
葉の表面には光沢はありません。
花房が大きくなるのですが、枝が少し細いので、
雨の日などは花の重みで枝が倒れることがあります。
大きく育つノリウツギ
■ノリウツギの育て方のポイント
日向~半日陰まで、幅広い範囲で育てることができます。
水はけと水もちの良い土を好むので、
夏の強い直射日光が株元に当たり、土が乾燥すると株が弱ることがあります。
夏の西日には要注意です。
ノリウツギは花期が長いので、剪定に迷いそうになりますが、
剪定時期が花後~翌年3月までと、かなり猶予があります。
一般的なアジサイのように、夏に花芽を形成するのではなく、
春に芽吹いてから花芽ができるため、
剪定は厳寒期を避ければ、いつでも可能となります。
ノリウツギの剪定の強さも、強剪定と弱剪定どちらも可能です。
強剪定をしておけば、枝数が少なくなって花房が大きくなります。
弱剪定をすると、枝数が増えて花房が小さくなります。
育てる環境やスペース、好みにより仕立て方を変えられるのも魅力の1つです。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイ栽培 12ヶ月
・アジサイ 挿し木の仕方