ホワイトドーム
ホワイトドーム C)千草園芸
ホワイトドームは、アメリカアジサイの1品種です。
日本で有名なアメリカアジサイといえば「アナベル」です。
同じアメリカアジサイのホワイトドームには、どのような特徴があるのでしょうか。
[ホワイトドーム]
■ホワイトドームの特徴
・ふわふわのドーム型
日本で知名度が高く、不動の人気を誇るアメリカアジサイといえば、アナベルです。
そのアナベルと性質がよく似ているのが、ホワイトドームです。
丈夫で育てやすく、アジサイ初心者でもとっつきやすいのが特徴です。
アナベルが日本でこれだけ人気になったのは、丈夫で育てやすいからだけでなく、
テマリ型で大きな花房をつけるというところです。
ホワイトドームはアナベルと比べると知名度が低く、苗の流通もまだまだ少ないです。
けれど、アナベルとはまた違った、素敵なアジサイです。
ホワイトドームの花房は、一見するとアナベルと同じテマリ咲きのように見えます。
けれどよく見ると、両性花が中心に集まり、その周りに装飾花が咲く、
ガク咲きタイプの花房であることが分かります。
なぜパッと見た感じがテマリ咲きのように見えるのかというと、
装飾花と両性花の花数のバランスによるものだと思われます。
一般的には、ガク咲きタイプのアジサイの両性花は小さく、
中心にぎゅっと集まって咲きます。
中にはしっかり開花せずに落ちてしまう品種もあるほどです。
対して装飾花は、両性花よりもずっとサイズが大きく、かなり目立ちます。
装飾花という名前の通り、装飾花はただの飾りで、生殖機能はまったくありません。
花を美しく見せ、目立たせるための飾りなのです。
ところが、ホワイトドームは両性花の方が数がかなり多く、
装飾花が非常に少ないです。
よく見ると、花房の形としてはガク咲きタイプなのですが、
両性花ばかりが目立つあまり、テマリ咲きに見えるのです。
ホワイトドームの両性花は一般的なアジサイよりも大きく、しっかりと開花します。
蕾のうちは丸い小さな集合体ですが、開花が始まると徐々に花房が広がり、
ボリュームが出ます。
完全に両性花が開くと、中からしべが飛び出ます。
たくさんの両性花からしべが出てくると、全体的にふわふわになります。
しかも両性花がこんもりとした形についているので、
開花した時には見事なドーム状となります。
装飾花は、ボリュームのある両性花からこぼれた雫かのように、
花房の周りにいくらか開花します。
サイズも小ぶりで目立ちにくいですが、
装飾花が咲くことで花房の縁がどこなのかが分かり、メリハリがつきます。
同じアメリカアジサイのアナベルは、かなり大きな花房をつけます。
ホワイト ドームの花房は、アナベルよりは小ぶりですが、
花付きも良くふんわりとした印象なので、十分なボリュームが楽しめます。
・汚れのない純白
ホワイトドームは、名前の通り真っ白な花を咲かせます。
一般的なアジサイでは、両性花が目立たないことも多いですが、
ホワイトドームは両性花がメインの品種でもあるため、両性花の花色が目立ちます。
ホワイトドームの名の通り、両性花も装飾花も純白です。
この白色は土の酸度に左右されず、土の酸度が変わっても白色のまま変化しません。
アジサイは花色が変化することも楽しみの1つですが、
初心者にとっては花色の維持が難しい場合もあります。
ホワイト ドームなら、花色の変化がほぼないため、
アジサイ栽培初心者であっても花色の維持に悩む必要はありません。
・細くしなやかな枝
ホワイトドームの枝は、アナベルとよく似ています。
見た目は非常に細く、ちょっとしたことでもすぐに折れてしまいそうなほどです。
けれど実際は、細いながらもしなやかさもあるため、めったなことでは折れません。
ただ、細い分揺れには弱く、かつ花房が大きめなため、
倒れたり曲がったりすることが多いです。
ホワイト ドームの花房はふわふわとしていますが、大きさの分やはり重くなります。
特に雨などの水分を含んだ花房が重くなり、枝が簡単に垂れてしまいます。
垂れた枝は自力で戻ることができないため、
できるだけ早期に柵やあんどん支柱などを使って支えてあげましょう。
オベリスクなど、見た目の良い資材を使うと、雰囲気を壊さずに枝を支えられます。
葉の大きさは中くらいで、形はやや丸っこいのが特徴です。
色も一般的なアジサイとあまり変わりません。
同じアメリカアジサイのアナベルと同様に、新枝に花を咲かせる性質を持っています。
年を追うごとに、発生する新枝の数が増えて大株になるので、
庭植えにして大株に育て、たくさんの花房をつけさせるのがお勧めです。
■ホワイトドームの育て方のポイント
基本の育て方は、一般のアジサイと同じです。
ただし、剪定の時期が変わります。
アメリカアジサイは、新しく伸びた枝先に花をつけます。
そのため、一般的なアジサイのように、7月中に剪定を済ませる必要はありません。
むしろ7月はまだ花が咲いている頃である場合が多いので、
この時期に切ってしまうのはもったいないです。
剪定は、花が完全に終わって、葉も落ちてしまってからで構いません。
11月以降、落葉が終わってから翌年の春に新芽がふくまでの間が、剪定の適期です。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は？
・アジサイ 挿し木の仕方
