ミセスクミコ
ミセスクミコ
ミセスクミコは、さかもと園芸が改良して作った、ガクアジサイの品種です。
さかもと園芸からは、多数の美しいアジサイが作出されていますが、
ミセスクミコはその中でも特別な品種の1つです。
1992年にオランダで開催された世界園芸博覧会で、
金賞を受賞するほどの魅力があります。
そんなミセスクミコが持つ特徴とは、どのようなものなのでしょうか。
また、育て方には、何かコツがあるのでしょうか。
[ミセスクミコ]
■ミセスクミコの特徴
・清楚で可愛らしい
ミセスクミコは、作出した坂本正次さんの奥様の名前からつけられた品種名です。
世界園芸博覧会で金賞を受賞したものの、
品種として仕上がるまでには長い年月がかかったそうです。
そんなミセスクミコは、どこから見ても美しいアジサイです。
花房の形がテマリ咲きなので、装飾花が1つの花房にぎゅっと集まり、
球形にまとまっています。
そのため、どの角度から見ても、美しい花房を見ることができるのです。
装飾花は、花弁が4枚～5枚の一重咲きですが、
シンプルすぎて寂しい印象はまったくありません。
それは、花弁の縁に細かい切れ込みが入っているからでしょう。
ミセスクミコの装飾花の花弁の縁には、ギザギザの小さな切れ込みが入っています。
この切れ込みが入ることによって、花全体に自然な動きが出ます。
八重咲きほどのボリュームがなくても、
縁に入った切れ込みと整った球形の花房によって、十分な見ごたえがあります。
装飾花と装飾花との間にほとんど隙間がないこともあり、
まるで花房1つで可愛らしいブーケのようにも見えます。
・愛らしさを増すピンク
ミセスクミコの基本の花色は、明るいピンクです。
桜を思い起こさせるような、透明感のあるピンク色です。
決して色が薄いわけではありませんが、透明感があるおかげで透けているような、
儚げな印象も加わります。
蕾から咲き始めの頃は、全体的に明るいグリーンをしています。
そこから徐々に開いていくと、最初は白が強く出ますが、
しだいに薄いピンクに染まっていきます。
花が咲ききると、全体的に透明感のある美しいピンク色となります。
ミセスクミコのピンクはとても発色が良く、シェードガーデンに置いても、
パッと明るく見えます。
基本の花色はピンクですが、土の酸度や栽培環境によって、
薄い紫になることがあります。
紫になってもキレイなことに変わりありませんが、ピンクに咲かせた方が発色が良いです。
土をアルカリ性に調整すれば、簡単にキレイなピンクの花を維持できます。
・丈夫で育てやすい
さかもと園芸から出ているアジサイは、どれもとても美しいですが、
それとともに丈夫で育てやすいのも魅力です。
ミセスクミコを含むさかもと園芸から出ているアジサイは、
どれも見栄えが良いので、プレゼントにも人気です。
けれど、せっかくプレゼントでもらっても、
すぐに枯れてしまったのでは楽しみが半減してしまいます。
ミセスクミコの枝は特別太いわけではありませんが、
繊細ながらもしなやかさがあり、簡単には折れません。
ただ、花房が大きく、大株になるほど花房のサイズも大きくなっていくので、
花房の重みによって、枝が曲がったり倒れることがあります。
その場合は、あんどん支柱などを使って、全体を支えてあげましょう。
葉の形は丸みが強く、サイズや色は一般的です。
花房同様、丸みのある葉が可愛らしく、
濃い緑色が透き通るようなピンク色を引き立て、よりいっそう花房を美しく見せます。
育てる時は、庭植え・鉢植えのどちらでも可能です。
庭植えにして大株にすれば、枝数が増えて花房の数も増えますし、
花房のサイズも大きくなっていくので、年々見ごたえが増していきます。
鉢植えは庭植えよりもコンパクトに育ちますが、
コンパクトながらも立派な花が咲くので、毎年の開花時期が楽しみになります。
■ミセスクミコの育て方のポイント
基本の育て方は、一般のアジサイと同じです。
基本の花色はピンクですが、土が酸性に傾くと紫色になることがあります。
ピンクの花を咲かせたい場合は、土の酸度をアルカリ性に調整しましょう。
赤いアジサイ専用の培養土や肥料を使うと、比較的簡単に調整できます。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は？
・アジサイ 挿し木の仕方
