御殿場錦
御殿場錦 C)四国ガーデン楽天市場支店
御殿場錦は、ヤマアジサイの1品種とされることが多いですが、
ヤマアジサイとガクアジサイをかけあわせた品種です。
一般的なガクアジサイやヤマアジサイとは、まったく違った特徴を持ち、
とても注目されています。
御殿場錦が持っている特徴と、育て方のコツをまとめました。
[御殿場錦]
■御殿場錦の特徴
・美しい斑入り葉
一般的なアジサイの葉といえば、丸みのある葉と縁のギザギザが特徴です。
色は濃い緑色で、葉脈のシワもよく見えます。
これはヤマアジサイでも同じで、形は細長いものが多いですが、
縁のギザギザや色はガクアジサイとよく似ています。
ところが、御殿場錦の葉は、一般的なアジサイとはまったく違ったビジュアルです。
葉の形はヤマアジサイらしい形ではありますが、縁のギザギザがほとんどありません。
また、株のサイズを考えると葉のサイズが小さく、小ぶりなのも特徴的です。
そして最も特徴的なのが、葉色です。
ベースの葉色は薄く明るい緑色で、そこに白い斑が入ります。
斑は葉の縁全体に入り、太い縁取りがくっきりと入っています。
葉脈の部分にも多少は入りますが、縁取りほどはっきり太いラインが入ることはなく、
縁取りの方がよく目立ちます。
新葉が開き始めた頃は、白の分量が非常に多く、
真っ白な葉が出てきているように見えます。
葉が展開した後、少しずつ緑が濃くなっていき、最終的には緑と白のバイカラーとなります。
株の状態や管理法によって、
新芽に近いところの葉や葉軸が、赤紫に染まることがあります。
染まり方はランダムで一定ではないので、入るか入らないか、
入るならどれくらい入るのか、その時々で変わるのも魅力の1つです。
・シンプルな花房
御殿場錦の花房は、いわゆるガク咲きのタイプです。
葉が斑入りで特徴的なのに対し、花房は意外とシンプルです。
けれど、花色が深みのある色合いなので、色が明るい葉によく映えます。
花房はヤマアジサイらしい、小ぶりで楚々とした雰囲気です。
装飾花の花弁は3枚~4枚、花弁の形はひし形なので、和風のたたずまいです。
けれど、葉が斑入りで洋風感もあるので、なんとも不思議な印象です。
花色は赤みが強く、土の酸度によって変化します。
土が酸性なら紫色、アルカリ性なら濃いピンクになります。
どの色に咲いても発色が良く、深みのある濃い色になります。
葉色と花色のギャップも、御殿場錦の魅力です。
・ヤマアジサイの株姿
ヤマアジサイとガクアジサイの掛け合わせ品種ですが、
株姿はヤマアジサイの性質を強く受け継いでいます。
全体的に線が細く、枝も細いので繊細に見えます。
枝が細いといっても、花房もそれほど大きくないので、
花房の重みで折れる心配はありません。
育て方も、ヤマアジサイと同じで問題ないでしょう。
斑入り品種なので、強い直射が当たる場所よりも、午前中だけ日差しのある半日陰や、
明るい日陰で育てるのがお勧めです。
葉色が薄く明るい印象なので、暗くなりがちなシェードガーデンに合わせると、
パッと明るくなります。
また、葉に特徴があるので、花期が終わってもカラーリーフとして鑑賞できます。
■御殿場錦の育て方のポイント
基本の育て方は、一般のヤマアジサイと同じです。
花色は土の酸度によって変わりますが、花よりも葉の方に鑑賞価値があるため、
あえて花色のために酸度調整はせず、自然に任せることも可能です。
花色は、土が酸性なら紫に、アルカリ性なら濃いピンクになります。
咲かせたい色がある場合は、酸度調整をする必要があります。
その際には、青いアジサイ専用や赤いアジサイ専用といった、
肥料や培養土などを使うと便利です。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方