アジサイ 台風対策
台風後、持ち直したアジサイ
アジサイは花木として、古くから日本人に親しまれているということもあり、
日本の気候によく合っています。
けれど、日本でよく起こることでも、対処が難しいことがあります。
それが台風です。
一般に7~9月頃、夏~秋に台風が来ますが、
異常気象の影響もあり、年により多くの大型台風が直撃することがあります。
丈夫なアジサイも、台風の防風や大雨によって傷むことがあるので、
対策をしておきましょう。
[アジサイ 台風対策]
■庭植えのアジサイ
庭植え(地植え)にしている植物は、アジサイに限らず根がよく張るので、
雨風に強いというイメージがあります。
けれど、台風のような規格外の防風や大雨では、
庭植えにしている植物も傷つく可能性があります。
台風がくる時期は、まだこんもりとアジサイが茂っています。
そんな時に横からの強い風が当たり続けると、株全体の枝が流れて樹形が悪くなったり、
ひどければ根が浮き上がることもあります。
庭植えにしているアジサイを守るため、
台風がきそうな時には必ず対策をしておきましょう。
・剪定を済ませる
アジサイの基本の剪定は、7月です。
夏までに剪定を終わらせておくことで、
花芽を切り落とすことなく樹形を整えることができます。
ただ、アジサイの中には、アナベルなど新枝咲きのタイプがあります。
新枝咲きタイプのアジサイは、新しい枝に花芽がつくため、いつ剪定しても問題ありません。
台風が多くなる8月~9月は、まだ花が咲いているからと、
剪定を終わらせていないことも多いでしょう。
枝が長く伸びた状態で、台風の強い風を受けると、せっかく咲いていた花が汚れたり、
枝が折れる可能性が高くなります。
台風がくる前に、ある程度は剪定をして、風にあおられない樹高にしておきましょう。
・誘引の強化
アジサイの枝はしなやかで丈夫です。
けれど、台風のような暴風に当たれば、折れることもあります。
普段は支柱を使っていなくても、台風の時は支柱を使って強化しておくのがお勧めです。
アナベルなどの枝が細く柔らかいタイプであれば、
株全体の枝をまとめて紐で結び、まとめておくと良いでしょう。
近くに柱がある場所なら、その柱にまとめた枝をくくりつけておくと、さらに安心です。
普段から支柱を使っている場合は、支柱の数を増やしたり、
誘引している紐などに緩みがないかをチェックしておきます。
・防風ネットの利用
何株かまとめて植えてある場合は、防風ネットを設置することで、
全体を強風から守ることができます。
防風ネットを設置する時は、支柱をしっかりと土に挿し込み、
風で動かないようにしておきます。
防風ネットを設置しても、風は通ります。
あまりにも強い風だと、防風ネット自体が倒れることもあるので、
中のアジサイも株ごとに支柱や紐を使って、対策をしておくと良いでしょう。
■鉢植えのアジサイ
鉢植えのアジサイは、庭植えとはまた違います。
立派に育ったアジサイは、地上部が重くなっていることもあるため、
風によって鉢ごと倒れることがあります。
鉢の種類によって、倒れた拍子に割れてしまうこともあるので、注意が必要です。
鉢植えのアジサイは、庭植えとは違う対策が必要なので、
台風の時にはぜひ実践してください。
・台からおろす
鉢植えにして育てている場合、台の上などに置いていることも多いです。
そのまま高い場所に置いていると、風であおられて倒れて落ち、
鉢が割れる可能性があります。
高い場所に置いてある鉢植えは、下におろしておくだけでも全然違います。
ベランダのように囲われた場所なら、壁で風を遮ることもできるので、
鉢植えをおろしておくだけで、十分な対策となります。
・鉢植えを集める
鉢は単体だと倒れやすいですが、複数の鉢を集めてかためておくと、
それだけで倒れにくくなります。
鉢植えにしているアジサイだけでなく、
他の植物の鉢植えも一緒に集めておきましょう。
一番外側の鉢は、支えが少ないため、中心の鉢に比べて倒れやすいです。
一番外側の鉢の周りにも、レンガなどを使って重石をしておきましょう。
・倒す
鉢植えの数が少なく、集めても倒れやすい場合は、
鉢ごとはじめから倒しておくのもお勧めです。
倒れた拍子に鉢が割れて中の土が出て根が露出すると、
地上部だけでなく、地下の根も傷みます。
最初から倒した状態にしておけば、鉢が割れる心配もありません。
ただし、倒した状態で転がらないよう、
レンガなどを置いてストッパーをしておく必要があります。
・室内に取り込む
鉢植えのアジサイの台風対策で、一番安全なのは、室内に取り込むことです。
庭植えのアジサイではできませんが、鉢植えなら動かすことができるので、
簡単に取り込むことができます。
1日か2日くらいであれば、日当たりの室内であっても、
枯れてしまう心配はありません。
ただし、冷房などの空調が効いていない場所がお勧めです。
玄関など、やや空気の動きがある場所なら、空気がこもることもないので、
安心して置いておけます。
台風が去ったら、すぐに戸外のいつもの場所に戻し、
いつも通りの管理を行いましょう。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方