ヤマアジサイ 花が咲かない
ヤマアジサイは、ガクアジサイや西洋アジサイと同じアジサイの仲間です
けれど一般的なガクアジサイや西洋アジサイに比べると、
花房も株全体も小柄なので、狭い場所でも育てられる上、
シェードガーデンや梅雨の時期を彩る存在として人気があります。
そんなヤマアジサイは、もともと日本に自生していた植物ということもあり、
とても丈夫で育てやすいです。
ところが、ヤマアジサイの花が咲かなくて悩んでいるという声もよく聞きます。
ヤマアジサイの花が咲かないことには、何か理由があるのでしょうか。
[ヤマアジサイ 花が咲かない]
■ヤマアジサイ 花が咲かない
・剪定時期
ヤマアジサイの花が咲かない原因の多くは、剪定時期や剪定方法の間違いです。
ヤマアジサイはガクアジサイや西洋アジサイと同じく、夏に翌年の花芽を形成します。
そのため、夏以降に剪定を行うと、花芽ごと枝を切ることになるため、
翌年の開花は難しくなります。
一般的には、7月中に剪定するのが基本なので、遅れずに剪定を行いましょう。
また、ヤマアジサイはガクアジサイなどよりも生長が緩やかです。
もともと株も小型で、枝も細く伸びも遅いので、それほど強く剪定する必要がありません。
花後に花ガラを摘む程度の剪定で、
後はほとんど剪定しなくても自然と樹形が整いやすく、
大きく育ちすぎるということもありません。
特に庭植えや花壇植えにしている場合、
周りの植物と余裕をもって植えているのであれば、無理に剪定をする必要はありません。
生長の様子を見ながら、必要と感じた年にだけ剪定するという方法もあります。
・花ガラを切らなかった
7月中に剪定をすることで、夏に翌年分の花芽が形成されます。
けれど、枝自体が充実していなければ、新しい芽が充実せず、
うまく花芽にならないこともあります。
枝を充実させるためには、花が咲いた後の花ガラ摘みも重要です。
初夏に咲いた花をそのままにしておくと、花の方に栄養をとられてしまい、
枝の充実が後回しになります。
花房自体は傷んだり枯れたりしているように見えても、
切り離すまではわずかながらに養水分が送られます。
基本的な剪定時期に合わせて花ガラを摘むようにすると、忘れずに済みます。
また、花房が傷んだり枯れたと感じたら、すぐに花ガラを摘むようにするのもお勧めです。
・寒さに当たった
ヤマアジサイは、比較的早い段階で葉の付け根に新芽を発生させます。
この新芽は、翌年に伸びて花を咲かせる可能性がある芽なので、大切に扱います。
ヤマアジサイはもともと日本に自生しているため、日本の気候に合っています。
寒さにも強いので、基本的には寒さによる枝の枯れや芽の傷みは起こりません。
けれど、寒風が強く当たる場所や、霜に何度も当たるような場所では、
芽が傷んでしまい花が咲かなくなることがあるのです。
寒さが厳しい地域では、落葉後に寒冷紗などをかけて、寒風から新芽を守ります。
あるいは、夜間のみ室内に取り入れて、霜や寒風を防ぐのもお勧めです。
室内に取り込む場合は、暖房の効いていない氷点下にならない程度の場所が適します。
・芽を摘んだ、枝を折った
寒さや剪定の時期には注意していても、芽の扱いを間違えると花は咲きません。
新芽はとてもデリケートなので、乱暴に扱うと簡単にとれてしまいます。
ヤマアジサイの枝はとても細く、弱々しく見えます。
けれど新枝のうちはみずみずしさもあるため、
軽く触れる程度では折れる心配はありません。
ところが、2年目以降の枝は硬くなる分、ポキポキと簡単に折れるようにもなります。
古枝の状態になってから、剪定の時や他の作業を行う時に乱暴に扱うと、
簡単に折れて新芽ごと取れてしまうことがあります。
ヤマアジサイは細かく枝が発生する品種も多く、
枝が込み合ってくると株をかきわけた時に枝が折れることがあります。
間引き剪定など、株をかきわけて剪定したい時は、
刃先が長いハサミを用意しておくと便利です。
・水切れ
新芽はとてもみずみずしく、柔らかいものです。
冬の間は活動を停止しているため、寒さなどには強いですが、乾燥にはやや弱いです。
特に春に再び活動を始めようと動き始めた頃に水切れを起こすと、
葉が焦げたように黒く変色したり、カリカリになってしまうことがあります。
変色したり傷んだりした新芽は復活できず、
そのまま枯れてしまうことも少なくありません。
傷んだ新芽が花芽であった場合、その枝の花はもう咲きません。
蕾が上がってきてからはもちろん、
それ以外の生育期間中も水管理には注意します。
落葉期も、基本的には乾き気味の管理で問題ありませんが、
あまり乾きすぎないよう、土のチェックを行いましょう。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方