山アジサイの植え替え時期
美方八重(みかたやえ)
山アジサイは、ガクアジサイよりも小型で、
控えめで楚々とした雰囲気があるため、とても人気があります。
育て方も難しくなく、もともと日本に自生していた植物なので、
日本の気候ともよく合います。
そんな山アジサイですが、やはり育てていると気になることも出てきます。
育てる上で必要になるのが、植え替え時期です。
山アジサイの植え替え時期は、いつ頃が良いのでしょうか。
[山アジサイの植え替え時期]
■山アジサイの植え替え時期
・購入直後の植え替え時期
山アジサイの苗を購入したら、まずは植え替えが必要になります。
山アジサイの場合、開花株の販売はあまりなく、
花芽も葉もない枝だけの状態が多いです。
もちろん春以降になれば、枝に葉がついているものも出てきますが、
基本的にはこれから生長する段階の苗です。
販売時期も、生育ピーク時の前であることが多いため、
植え付けるとしての植え替えを行うなら、購入直後が基本となります。
鉢に植える場合でも地植えにする場合でも、
購入後はすぐに植え替えを行いましょう。
購入直後の山アジサイは、小さなポットに入っていることが多いです。
そのままだと暑い夏に水切れを頻発し、生育が悪くなったり、
ひどい時は枯れることもあるので、高温や乾燥が強くなる前に植え替えを済ませます。
・鉢植えの植え替え時期
庭植えや花壇植えにして山アジサイを育てている場合は、
根の生育スペースも十分あるので、移動の必要がなければ植え替えは不要です。
けれど、鉢植えで育てている場合は、定期的な植え替えが必要になります。
山アジサイはガクアジサイや西洋アジサイに比べると小型で、
生育もゆっくりです。
けれど何年も同じ鉢のまま育てていると、土も痩せてきますし、
何より根が育つ場所がなくなります。
根鉢が根でいっぱいになると、根詰まりと呼ばれる状態となり、
水や養分をうまく吸いあげられず、生育不良になります。
山アジサイは乾燥が苦手なので、根詰まりの状態で夏を迎えると、
水切れを頻繁に起こすようになります。
毎日水やりをしているのに、なぜか葉がしおれたまま戻らない、
葉焼けや花焼けが起こるという場合は、根詰まりの可能性が高いです。
鉢植えの山アジサイの植え替え時期は、2年~3年が目安となります。
植えている鉢や、育てている山アジサイの生育スピードにもよりますが、
それくらいの間隔で植え替えを行うと、根詰まりによる不調が減ります。
鉢植えの山アジサイをリフレッシュ目的で植え替える場合は、
11月~3月の落葉期に行うのがお勧めです。
落葉している時期は地下の根もほとんど動いていないため、
植え替え作業で根が露出しても、ダメージを受けにくくなります。
・緊急時の植え替え時期
育てている鉢植えの山アジサイが根詰まりを起こしている、
けれど植え替え時期ではない、というケースは意外と多いです。
また、時期はずれに苗を購入することもあるでしょう。
植え替え時期である落葉期でなかったとしても、
そのまま放置するのはもっと危険です。
土の量が少ない、根詰まりしていて土がほとんどない状態だと、
水切れが起こりやすく、不調になりやすいです。
この場合は、その時に植え替えを行っても構いません。
できるだけ早くに植え替えをして、良い栽培環境を作ることが先決です。
ただし、生育期は根が露出したり傷つくと、急激に調子を崩しやすくなります。
植え替えを行う場合は、根鉢を崩さないように注意します。
根鉢よりも一回りか二回り大きい鉢に土を入れ、
そこに根鉢を崩さず植え替えることで、根の生育スペースが広がります。
また、水や養分を保持できる土の量も増えるので、水切れを軽減できます。
落葉期以外の時期に植え替えを行う場合、
特に気温の高い時期は、植え替え後の置き場所にも注意します。
いくら根鉢を崩さないように植え替えても、多少のストレスはかかります。
植え替え後に直射が当たる場所や、空気がこもって高温になりやすい場所に置くと、
回復に時間がかかります。
植え替え後の山アジサイは、
風通しの良い明るい半日陰~半日陰の場所に置いて養生させましょう。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方