きらきら星
きらきら星 C)千草園芸
きらきら星は、栃木県農業試験場が改良して作った、ガクアジサイの品種です。
栃木県から出ているアジサイの中でも、まだ新しい品種です。
ジャパンフラワーセレクション2014-2015の、鉢物部門で入賞した品種でもあります。
きらきら星が持っている特徴や、育て方のポイントをまとめました。
[きらきら星]
■きらきら星の特徴
・切れ込みがきらきら
きらきら星の花房はとても大きく、ボリューム満点です。
蕾のうちは、はっきりとしたガク咲きの形をしていますが、
咲き進むにつれ半テマリ咲きのような形に変化しています。
というのも、きらきら星の装飾花はとても大きく、
咲き進むことで中央の両性花を覆い隠すようになっていくため、
満開時には半テマリ咲きのような姿になるのです。
満開になっても、両性花は装飾花よりも奥まった位置で咲くのと、
もともと咲いてもあまり目立たない姿をしていることで、
開花しているかどうかはあまり分かりません。
対してきらきら星の装飾花は、八重咲きでボリュームもあるのでとても目立ちます。
花弁が幾重にも重なり、まるでバラのような姿をしています。
花弁は先がとがったような形をしていて、縁に切れ込みが入ります。
バラのような愛らしい花形ですが、この縁のギザギザが入ることによって、
少しキリッとした印象も出ています。
満開になった時、両性花がほとんど目立たないことで、
装飾花と装飾花の間に適度な隙間ができます。
そのためか、花房の直径が大きくても、軽やかな雰囲気があります。
・明るいピンク、優しい紫
きらきら星の花色は、土の酸度によって変わります。
土が酸性なら青紫に、アルカリ性ならピンク色になります。
どちらの色も非常に発色が良く、美しいですが、色によって少し印象が変わります。
青紫に咲くと、少しマットな質感となり、大人っぽい雰囲気の中に爽やかさがあります。
ピンクに咲くとつややかな明るいピンク色なので、可愛らしい雰囲気が強まります。
また、どちらの色に咲いても、花弁の縁に白いラインが入ります。
最初は花色がグラデーションのようになって縁が白くなりますが、
全体的に色がはっきりと出るようになると白とのバイカラーになります。
縁に入る白いラインも、個体差や咲き進む段階によって、太さが変わってきます。
・秋まで楽しめる
きらきら星の枝は細めに見えますが、強度はしっかりとあるので、折れる心配はありません。
ただ、枝が長くなってきた時や、花が満開に近くなると、
重みによって曲がってくることがあります。
その場合は、あんどん支柱を使って株全体を支えるか、
枝1本1本に棒支柱をあてて支えるようにしましょう。
きらきら星は非常に花もちが良く、梅雨の雨にあたっても花弁が傷みにくいです。
上手に管理すれば、秋頃まで花がもち、秋色アジサイとしても楽しめます。
葉のサイズも大きめで色も濃く、大きな花房をきちんと引き立たせてくれます。
花色によって雰囲気は変わりますが、色の発色が良いので、
どのような庭にも合わせやすく、使い勝手のよい品種です。
■きらきら星の育て方のポイント
基本の育て方は、一般のガクアジサイと同じです。
花色は、土の酸度によって変わります。
酸性なら青紫、アルカリ性ならピンクになります。
自然に任せても良いですが、咲かせたい色がある場合は、酸度調整が必要です。
市販されている青いアジサイ専用や、
赤いアジサイ専用の培養土や肥料を使うと便利です。
秋まで花を保つためには、開花後に直射日光を当てないようにします。
屋外で管理するなら、直射の当たらない明るい日陰がお勧めです。
風通しが良い場所なら、真夏も蒸れる心配も少ないです。
室内で管理する場合も、日当たりの良い窓辺などに置きますが、
レースのカーテンごしの日差しが適切です。
秋色アジサイまで楽しむとなると、剪定の時期が難しくなります。
きらきら星の剪定時期は、一般のガクアジサイと同じ7月中です。
けれど剪定してしまうと、秋色アジサイまで楽しめません。
かといって秋色アジサイが終わるまで剪定を先延ばしにすると、
翌年の花芽ごと切ることになるので、毎年花を楽しめません。
できるだけ秋まで花を楽しみたいのであれば、
7月中に開花した半分だけを先に剪定する方法があります。
半分だけ先に剪定し、残りは秋色アジサイを楽しんだ後に剪定します。
そうすると、先に剪定した分だけは翌年の分の花芽を形成できるので、
開花が期待できます。
どうしても開花した分はすべて残したいという場合は、7月中に新芽を摘みます。
アジサイは、開花した位置から2節~3節下あたりの芽が充実しやすいので、
その芽の上で剪定することが多いです。
その剪定予定の位置より上の新芽を摘むことで、下の芽が充実しやすくなります。
芽の摘み取りだけしっかり行い、秋色アジサイまで楽しんだ後、
剪定予定位置で切れば、充実した芽が翌年伸びてきて、花が咲きやすくなります。
この方法であれば、秋色アジサイになるまで多くの花を残せておけますし、
翌年用の花芽も確保できます。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方