アマチャ
アマチャ C)千草園芸
アマチャ(甘茶)は、ヤマアジサイの変種とされている品種です。
アマチャといっても、特定の品種を指す場合もありますし、
多年草のアマチャヅルをアマチャということもあるそうです。
そのため、アマチャの中にも色々と種類があります。
一般的なアジサイは、葉には毒が含まれているため、
お茶にしたり食用にすることはできません。
ところが、アマチャの葉を乾燥させて煮出してお茶にすると、
不思議と強い甘みがあります。
濃度を高くしたお茶を飲むと中毒症状が出ることもあるようですが、
濃くならないよう薄く煮出したものの中からは、
有毒な成分が見つかってはいないようです。
このアマチャから煮出したお茶は、
抗アレルギー成分や歯周病を予防の成分が含まれ、健康茶としての人気です。
正しい製法で作ったアマチャの茶葉には、
砂糖の1000倍近い甘みが含まれているそうです。
このことから、アマチャを甘味料として使うこともあるようです。
では、このアマチャとは、どのような植物なのでしょうか。
[アマチャ]
■アマチャの特徴
アマチャの花は、中心に両性花が固まって咲き、
その周りにいくつかの装飾花がつくガク咲きのタイプです。
装飾花は一重で、花びらは4枚でそれほど大きいということはありません。
けれど中心の小さな両性花の集まりと比べると、
装飾花はたった花びらが4枚であっても、大きく見え存在感があります。
同じアマチャでも、品種よって装飾花の形やつき方は、少しずつ異なります。
装飾花の花びらの大きさが均一なものや、1枚だけ大きくなる、
あるいは1枚だけ小さくなる傾向があるものなど様々です。
中には装飾花が八重でテマリ咲きになるものもあるそうですが、
基本的にはガク咲きになります。
花色も品種によって異なります。
アマチャの苗としてよく見かける苗であれば、中心の両性花はブルー、
周りの装飾花はごく薄いブルーという色が多いように思います。
土の酸度によって色が変化し、装飾花の色が薄い赤紫になることもあります。
装飾花が薄い赤紫になっても、両性花がブルーのままというものもあります。
両性花も装飾花も真っ白な品種や、
両性花がブルーで装飾花が白というツートンタイプもあります。
枝はヤマアジサイのように繊細で細いですが、意外と折れたりはしません。
花数が増えると倒れやすくはなりますが、支柱で支えるだけで問題ありません。
アマチャは葉の色が薄く、形も細めです。
ガクアジサイのような光沢がないのもアマチャの特徴です。
山に自生している種で、アマチャの葉を摘むとき、
光沢のあるなしが見分ける方法とされていますが、
素人目には判別しにくいので、中毒を起こさないように注意します。
■アマチャの育て方のポイント
基本的な育て方は、ヤマアジサイと同じで問題ありません。
山で自生しているため、半日陰を好む傾向があります。
土を乾燥させなければ、日向で育てることも可能とは思いますが、
午前中だけ日の当たる半日陰の方が、管理は楽になります。
線が細く、地植えで大株に育てても、ごちゃごちゃとした印象を与えず、
背丈も70cmほどか、大きくなっても1メートルほどで、圧迫感はありません。
また、根の生育スピードがゆっくりで、鉢植えで育てることもできます。
品種違いのアマチャを、鉢植えでたくさん育ててみるのも楽しそうです。
花色が白に固定されているものでない場合、土の酸度によって変わります。
薄いブルー~薄い赤紫色になるのが基本です。
土の酸性を強くすればブルーに、アルカリ性を強くすれば赤紫に変わります。
開花株で購入した時には赤紫だったものが、
地植えにして何年かすると青く変わることがあります。
これは販売時にはアルカリ性だった土が、
地植えで育てているうちに酸性に傾いたためです。
花色を購入時と変えたくない場合は、土の酸度調整をするようにします。
日本は雨が多く、基本的には酸性に傾きがちになるので、
どちらかというと赤紫色を保つための調整が必要となります。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイ栽培 12ヶ月
・アジサイ 挿し木の仕方