ふわわ
ふわわ C) 園芸専門店 さいじょう緑花
ふわわは、たくさんあるガクアジサイ品種の1つです。
久留米花卉園芸農業協同組合が改良して作出した品種で、
2019年のジャパンフラワーセレクションで入賞した、まだ新しい品種です。
そんなふわわには、どのような特徴があるのでしょうか。
育て方のコツも、あわせてご紹介します。
[ふわわ]
■ふわわの特徴
・半テマリからテマリへ
アジサイの花房の形といえば、両性花が中心に集まり、
その周りを囲むように装飾花が咲くガク咲きタイプが一般的です。
近年は、装飾花が玉状に集まって咲く、テマリ咲きタイプもとても人気です。
ふわわは、そのガク咲きとテマリ咲きの両方の魅力をあわせもつ、
半テマリ咲きタイプの品種です。
両性花は中心に集まって、その周りに装飾花が咲いているのはガク咲きと同じですが、
装飾花にボリュームがあり、両性花を隠すように装飾花が咲きます。
咲き始めは、両性花がまだ見えるくらいの半テマリ咲きですが、
咲き進むと装飾花の盛り上がりと広がりがさらに強くなり、
最終的にはほぼテマリ咲き状態となります。
装飾花同士がぴったりとくっついて咲くのではなく、
ほどよく隙間があいた状態で咲くので、隙間から両性花もちらちらと見えます。
隙間があいていることで適度な空気感があって、
名前の通りふわふわとした印象になりつつも、
隙間から見える両性花のおかげで、スカスカの印象はありません。
一般的なアジサイは、両性花の花弁は発達しておらず、ほとんど目立ちません。
ところが、ふわわは両性花の花弁も大きめなので、開花した時にきちんと主張します。
しかし、それにも負けないほどの美しさをほこるのが、装飾花です。
ふわわの装飾花は、1つ1つのサイズも大きく、しかも八重咲です。
花弁は一番外側の花弁が大きめで、内側は細めの形をしています。
どの花弁も非常に整っていて、まるで精巧な工芸品のようです。
・シルバーブルーから緑へ
ふわわは、花の形も素晴らしいですが、コンテストで評価されたのは、
その希少な花色です。
青色がベースとなっていますが、そこにシルバーが含まれていて、
とても神秘的な花色となっています。
咲き始めは明るいグリーンをしていますが、
そこから徐々にシルバーブルーへと染まっていきます。
そこからさらに咲き進み、完全に開花すると、
外側の花弁が退色し、白っぽくなります。
外側の花弁が退色すると、外側の白っぽいカラーと、
内側のシルバーブルーのカラーがとてもマッチして、さらに美しさが増します。
ふわわの花はとても花もちが良く、一般的なアジサイよりも長く花を楽しめます。
うまく管理すれば、秋まで長く花が残り、花色もさらに変化し、秋色アジサイとなります。
・丈夫で美しい黒軸
ふわわは、花がとても繊細な雰囲気を持っていますが、
株全体はとてもがっしりしていて、性質も丈夫で育てやすいのが特徴です。
枝は黒軸と呼ばれるタイプで色が濃く、黒の中に花色のブルーが入っているため、
花房を引き立ててくれます。
葉色もやや濃いめなので、枝・葉・花の色の対比がとても美しいです。
枝の分岐が良く、まとまりの良い株姿に仕立てやすいので、
鉢植えでの栽培も可能です。
また、地植えにして大株にまでじっくり育てれば、見ごたえのある一株になります。
■ふわわの育て方のポイント
基本の育て方は、一般のアジサイと同じです。
花色はブルーが基本となっています。
青色をキレイに発色させるためにも、土は酸性に傾けておくようにします。
日本は雨が多く、土は酸性に傾きやすいといわれています。
けれど、周りの環境や管理方法によっては、アルカリ性に傾くこともあります。
植え替えの時に使う用土は、青いアジサイ専用の培養土を使ったり、
肥料も専用肥料を使うと便利です。
花もちが良く、管理によっては秋色まで楽しめますが、
その場合は剪定の時期に注意します。
秋まで待って剪定すると、翌年の分の花芽も一緒に切り落とすことになります。
開花したうち、半分だけ先に剪定し、残りは秋色まで楽しんでから剪定すると、
先に剪定した枝は翌年開花します。
また、開花している枝の上位2節分くらいの芽だけを7月中に取り除き、
秋に花が終わってから取り除いた芽の分だけ剪定することもできます。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は？
・アジサイ 挿し木の仕方
