アナベルジャンボ
アナベルジャンボ C)PROVEN WINNERS
アナベルジャンボは、PROVEN WINNERSが販売している、
アメリカアジサイの品種です。
一昔前から日本でも人気が出てきた、アナベルのさらなる改良版です。
そんなアナベルジャンボには、どのような特徴があるのでしょうか。
育て方のポイントも、あわせてご紹介します。
[アナベルジャンボ]
■アナベルジャンボの特徴
・30cmの大きな花房
アナベルは、以前から日本でもとても人気のあるアジサイです。
日本で販売されているアメリカアジサイの中では、知名度も高く、苗の流通も多いです。
そのアナベルをさらに改良して作られたのが、アナベルジャンボです。
もともとアナベルは花房がとても大きく、直径にすると20cmほどもあります。
ところがアナベルジャンボは、それよりもさらに大きな花房をつけ、
その大きさは直径で30cmほどになります。
しかも、花房は扁平なタイプではなく、こんもりとドーム状になります。
そのため、平面的なサイズの大きさだけでなく、
立体的にもかなりボリュームのある花房となっています。
花房自体はかなり大きいですが、花1つ1つを見てみると、とても小さいです。
一般的なアジサイの装飾花よりもかなり小さく、小輪であることが分かります。
しかも花弁が4枚~5枚の一重咲きで、とてもシンプルな造りをしています。
その小さな花が集まって大きな花房を形成しているのですから、
1つの花房にはどれだけの花がついているのか見当もつきません。
花が小さいためか、あまり隙間なくついている割に窮屈な印象はまったくなく、
むしろどこかエアリーでふわふわとした印象さえあります。
少し風がふいただけでも、花房自体が大きく揺れなくても、
小花がちらちらと動くので、花房に動きが出ます。
大株に育てば、枝数の分だけ花数も増え、巨大な花房がずらりと並びます。
1つでもかなり立派な花房がたくさん並んだ姿は、
圧倒されるほど迫力があるのに、不思議と圧迫感なく楽しめます。
・何にも染まらない白色
アナベルといえば、花色は白色であるのと同じで、アナベルジャンボの花色も白色です。
アナベルという品種名がついたアジサイの中には、
ピンク系のものもありますが、本種は完全な白色です。
多くのアジサイ品種が、土の酸度によって花色が変わるような性質はなく、
どのような酸度であっても白色の花が咲きます。
咲き始めは明るいライムグリーンで、爽やかなカラーをしています。
そこから開花が進むにつれ、徐々にグリーンが退色して白色に変化していきます。
満開時には、すべての小花が白色となり、真っ白なボール状の花房に仕上がります。
満開が過ぎた後、色が変化します。
純白だった花色は再びグリーンになり、今度はややくすんだ翡翠のような緑色になります。
咲き始めの明るいグリーンともまた違った、渋みのある緑色も素敵です。
アナベルジャンボの花はとても丈夫なので、花もちが非常に良いです。
そのため、初夏の咲き始めの頃から、寒くなって花が傷む晩秋まで、
かなり長い期間を楽しめます。
・切り花にも
アナベルジャンボは、アナベルよりも樹高が高いのも特徴です。
アナベルの樹高は1.2メートルほどですが、
アナベルジャンボは大きく育つと、1.5メートルほどになります。
その分、枝が長く伸びますが、枝はとても細く見えても丈夫なので、
倒れたり折れることはあまりありません。
大きな花房をつけるので、いつ折れるかとひやひやしますが、意外と大丈夫です。
特に大株に育った後は、枝数が増えてくるので、
枝同士が支え合う形となり、さらに倒伏の心配は減ります。
それでも倒れたり折れたりするのが心配な場合は、支柱を使って支えてあげましょう。
トレリスやオベリスクなどを使えば、
アナベルジャンボの雰囲気も壊さずに株全体を支えることができます。
枝がとても長く伸びるので、適当なところで切って切り花にすることもできます。
十分な長さを残して切れるので、飾る時も調整がしやすく便利です。
たった1本だけでも、花房にボリュームがあるので見栄えがしますし、
白色なので他の植物とも合わせやすいです。
また、枝が長い分吊るしやすいので、ドライフラワーにしても素敵です。
アナベルジャンボは花房も大きく、樹高も高くなりやすいので、
できれば庭植えにして楽しみたい品種です。
1株だけでもかなりのボリュームに育ちますし、
半日陰から日向まで、幅広いエリアで活用できるのも魅力的です。
■アナベルジャンボの育て方のポイント
基本の育て方は、一般のアメリカアジサイと同じです。
花色は白色固定なので、土の酸度調整は不要です。
アナベルジャンボは新枝に花芽をつける性質があるため、
一般的なアジサイとは剪定の時期が異なります。
一般的な7月中に剪定するのが普通ですが、
アナベルジャンボは晩秋に花も枯れ、葉も落ちてからの剪定が可能です。
秋に花が枯れてから剪定ができるので、秋色アジサイまでしっかりと楽しめます。
剪定時期は晩秋から春の芽吹きまでの間で問題ないので、
枯れた状態を残しておき、冬枯れの姿を楽しむこともできます。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方