カルディナール
カルディナール
カルディナールは、西洋アジサイの1品種です。
アジサイは、もともと日本に自生していたものや、それを元に改良した品種が多いです。
けれど、アジサイは日本だけでなく、海外でも人気があるのです。
海外で改良されたアジサイを西洋アジサイと呼び、
日本のガクアジサイよりも大振りな花や花房が豪華で、
ボリュームもあるということで日本でも人気が高まっています。
西洋アジサイの品種であるカルディナールの特徴や、
育て方のコツをまとめました。
[カルディナール]
■カルディナールの特徴
・桔梗のような花形
日本のガクアジサイに比べ、西洋アジサイは装飾花や花房が大きく、
ボリューム満点で豪華な印象があります。
花房の形はガクアジサイと同じで、ガク咲きやテマリ咲き、半テマリ咲きがあります。
中でもテマリ咲きはボリュームが出やすく、品種も多く人気も高いです。
そんな中で、カルディナールの花房はガク咲きタイプです。
両性花が中央に集まり、その周りに装飾花がつくのがガク咲きの特徴です。
テマリ咲きに比べ、花房が平たくなりやすいので、
ボリューム感重視というよりはスッキリとした大人っぽい雰囲気なることが多いです。
カルディナールの装飾花は、花弁が5枚前後の一重咲きです。
花弁はひし形に近い形をしていて、丸みはあるものの凛とした印象もあります。
花弁同士が少し重なって咲くため、ややすぼんた花形も相まって、
どこか桔梗のような形に見えます。
桔梗にどことなく似ているためか、西洋アジサイには珍しい、
和風の雰囲気も持っています。
蕾のうちから咲き始めの頃は、中央の両性花はぎゅっと丸まった蕾の状態です。
このつぶつぶ感がたまらず、全体的には大人っぽい雰囲気があるのに、
可愛らしさをプラスしています。
開花が進むと、中央の両性花も開花します。
開花するとしべの方が目立つようになるため、両性花の花弁はほぼ見えません。
けれど、このしべのふわっとした質感がプラスされることでも、
咲き始めとはまた違った印象になります。
・深みのある色
カルディナールの花色の基本は、青色です。
青といっても、品種によって水色や藍色、透き通るような爽やかな青色など様々です。
カルディナールの青色は深みがあり、かといって藍色ほど濃すぎず、マットな印象です。
花房もガク咲き、装飾花は桔梗に似た形をしているため、
静かで大人っぽい、けれどきちんと美しさと存在感があります。
花色の基本は青色ですが、土の酸度によって、花色が多少変化します。
土が酸性だと青色になりますが、アルカリ性だと紫っぽい色になります。
どの色も素敵ですが、青色を強めたり紫に咲かせたいという場合は、
土の酸度調整が必要になります。
中央の両性花も、装飾花と同じ色に染まります。
開花前半は、両性花がまだ開花していないため、青と緑が混ざったモザイク風になり、
両性花が開花した後は、しべが上に乗るので、柔らかな色になります。
・和風でも合わせやすい
和風の雰囲気もあり、全体的に柔らかな大人っぽい雰囲気のあるカルディナールですが、
西洋アジサイなので枝は太めで丈夫です。
枝が折れるということはほとんどなく、花房をしっかりと支えてくれます。
育てている間に、枝が長くなって倒れてくることがあります。
その場合は、あんどん支柱や棒支柱などを使って、
枝を支えてあげると株姿を維持できます。
西洋アジサイなので、洋風の庭に合わせやすいのはもちろんですが、
どことなく色や形が和風なので、和風の庭でも使いやすいです。
庭植えでも鉢植えでも育てやすいので、利用できる幅が広いのも魅力です。
■カルディナールの育て方のポイント
基本の育て方は、一般のアジサイと同じです。
花色の基本は青色ですが、土の酸度によって色が多少変化します。
青に咲かせたい場合は酸性に、紫に咲かせたい場合はアルカリ性に調整します。
市販されている、赤いアジサイ専用や、
青いアジサイ専用の培養土や肥料を使うと便利です。
西洋アジサイは、ガクアジサイと比べて寒さにやや弱いところがあります。
中間地程度であれば戸外で越冬できますが、寒風が当たらないような工夫が必要です。
寒さが厳しい地域では、鉢植えにして夜間のみ玄関に取り込むなどして、
強い寒さに当てないように管理します。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方