マルルー
マルルー C)園芸ネット
マルルーは、西洋アジサイと山アジサイをかけあわせてできた、
新しい品種です。
販売が始まったのは2015年くらいからなので、
まだまだ新しい品種のためか、販売数はそれほど多くありません。
マルルーには、どのような特徴があるのでしょうか。
また、育て方に何かポイントはあるのでしょうか。
[マルルー]
■マルルーの特徴
・精巧な作りの八重咲き
アジサイには、花房の形が何種類かあります。
よく見かけるのは、中心に小さな両性花が集まり、
その周りを囲むように装飾花が咲くガク咲きと呼ばれるタイプです。
近年人気なのは、装飾花が手鞠状に集まって1つの花房となる、テマリ咲きです。
そしてガク咲きとテマリ咲きの中間の、半テマリ咲きというタイプもあります。
マルルーは、装飾花が集まって咲く、テマリ咲きのタイプです。
西洋アジサイの交配種にしては、花房がそれほど大きくありません。
また、花房はふんわりとした球形に集まってはいるものの、
ぎゅっと詰まっているというよりは、少し散らばったようになるのが特徴です。
装飾花が散らばっていると、花房の見応えが減りそうなものですが、
マルルーは花付きがとても良いため、装飾花が散らばっているがゆえに、
株全体が花に包まれたように見えます。
マルルーは、装飾花の形も特徴的です。
ボリュームと豪華さのある八重咲きなのですが、花弁1枚がとても細長い形をしています。
アジサイといえば、少し丸みを帯びたような花弁が多い中、
こういった細長いタイプはとても繊細な雰囲気があります。
装飾花の形がとても美しく、人の手で精巧に作られたような規則正しさがあります。
・グラデーションも美しい
マルルーは、マルルーピンクやマルルーブルーという風に、
色別に販売されていますが、実はどちらも同じ品種です。
マルルーは、土の酸度によって花色が変わる品種のため、
土がアルカリ性であればピンクに、酸性であればブルーに変わります。
アルカリ性か酸性か、どちらかにはっきり寄っていない状態であっても、
ブルー~赤紫のグラデーションになります。
はっきり発色させた時、グラデーションカラーに咲いた時、
色が変われば持っている雰囲気も少しずつ変わりますが、
美しいことに変わりはありません。
・ヤマアジサイ寄りの株姿
マルルーは、西洋アジサイとヤマアジサイをかけあわせた品種です。
どちらかというと、全体的に山アジサイの雰囲気があります。
花茎はとても細く、小ぶりな花房が満開になれば、
風でゆらゆらと揺れて可愛いです。
とても細いので、折れないか心配になりますが、
しなやかさを持っているので、ぼっきり折れてしまうことは少ないです。
ただ、やはり心配な場合や、強い風が当たりやすい場所では、
あんどん支柱などを使って、倒れたり折れたりしないよう、支えてあげましょう。
葉の形も、ヤマアジサイらしい細長い形をしていますし、
株全体もややコンパクトな印象です。
けれど、西洋アジサイも入っているためか、
山アジサイよりもややがっしりとしていて、葉も大きいです。
比較的育てやすい品種のため、プレゼントにもぴったりです。
鉢植えのままで育てるのも良いですし、庭植えにしても良いでしょう。
庭植えにしたとしても、急激に大株にならず、
じっくりと生長を楽しむことができるのも、マルルーの魅力です。
■マルルーの育て方のポイント
基本の育て方は、一般のガクアジサイと同じです。
土の酸度によって花色が変わるので、
咲かせたい色に合わせて、酸度の調整をします。
何色に咲いても構わないという場合は、
特に酸度調整しなくても、その土に合ったキレイな色で咲いてくれます。
花弁が意外と丈夫なので、うまく管理すれば、秋まで花が楽しめます。
夏の暑い時期、花に直射が当たらない、明るい日陰のような場所に置いておくと、
満開になった後に茶色く変色しにくく、秋まで保ちやすくなります。
剪定の時期は、通常のアジサイと同じです。
秋アジサイを楽しむ場合、花が終わってから剪定すると、
来年用の花芽ができてから枝を切るため、翌年に花が咲かなくなります。
秋まで花を楽しむのであれば、花がついた枝の半分だけを残して、
あとは先に剪定すると、剪定した分は翌年も開花します。
あるいは、剪定する位置の上の節までの脇芽を、
7月中に取り除いておくと、剪定と同じ効果が期待できます。
秋アジサイが終わったら、脇芽を取り除いた下で剪定します。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方