常緑 アジサイ 冬
常緑のトキワアジサイ
アジサイといえば、梅雨の時期に花を咲かせ、
冬は落葉して春にまた芽吹く、というイメージがあります。
ところが、冬も葉を落とさない、常緑の品種があるのです。
もともと常緑の性質を持った品種をさらに改良し、観賞価値を高めた品種もあります。
冬も常緑のアジサイには、どのような品種があるのでしょうか。
[常緑 アジサイ 冬]
■常緑 アジサイ 冬
現在、市場に流通している常緑アジサイには、もともと常緑の性質を持ったものと、
常緑のアジサイを改良して作ったものとがあります。
どちらも、常緑という性質自体は変わりませんが、
品種によって、それ以外の性質が変わります。
落葉性の一般的なアジサイは、葉を落とすことで冬の寒さに耐えます。
常緑のアジサイは、葉が残る分、寒さにあたると株が傷みやすいという性質があります。
そのため、冬の寒い時期は室内に取り込み、5度以下にならないよう管理します。
また、葉が残っているということは、冬の間も緩やかな生育が続いているということです。
水や肥料も必要になるので、冬場の管理も欠かせません。
一般的なアジサイとは管理法が少し異なるため、
栽培が難しいと思われることもあります。
けれど、本来は丈夫で育てやすいので、冬場の管理に慣れれば、
一般的なアジサイとも、それほど大きな違いはありません。
常緑のアジサイの中でも、代表的な品種がいくつかあるので、
花の姿などによって、好みのものを選んでみてください。
・碧の瞳
常山アジサイ、通称「碧の瞳」と呼ばれるアジサイがあります。
厳密には、一般的なアジサイとは少し異なる系統らしいですが、
姿がよく似ているので、アジサイと呼ばれています。
花姿が一般のアジサイと異なり、装飾花らしい大きな花が見当たりません。
星形の小さな両性花が小さく集まって花房となり、花を咲かせます。
花色は、開花初期は青みがかった白色をしていて、
開花が進むにつれ、青が強くなります。
花自体は一般のアジサイと同じで、5月~6月の1回の開花のみです。
碧の瞳の最大の特徴は、花の後に実がなる点です。
光沢のある、濃い青色の実を秋頃につけます。
実をつけた状態で長く保つことができるため、花のない時期も楽しむことができます。
常緑の冬アジサイの中では、比較的寒さに強い性質があります。
暖地で霜が降りない地域であれば、戸外での越冬が可能です。
霜の心配がある地域や寒地では、室内に取り込んだ方が安心です。
・トキワアジサイ
台湾が原産のトキワアジサイは、常緑で冬も葉が残るのが特徴ですが、
もう1つ大きな特徴があります。
それが、年に2回開花することです。
一般的なアジサイは、年に1回の開花しか見られませんが、
トキワアジサイの場合は、3月頃と6月頃の2回の開花が見られます。
花はとてもシンプルで、花弁が4枚のひし形をしています。
縁に小さな切れ込みが入り、花色は白です。
装飾花のサイズはあまり大きくなく、数も少ないので、
ボリューム感や豪華な雰囲気はありませんが、
楚々とした野性味のある雰囲気を持っています。
葉も細く、どちらかというとヤマアジサイのような形をしている分、
野性味が強く出ます。
暑さにはとても強く、水切れさえしなければ夏越しは容易です。
対して冬の寒さには弱く、5度以下にならない管理が必要です。
常緑アジサイで人気のスプリングエンジェル
・スプリングエンジェル
スプリングエンジェルシリーズには、現在「ブルーエレガンス」「ピンクエレガンス」
「フリルエレガンス」の3品種があります。
常緑のトキワアジサイと、花が豪華な西洋アジサイを掛け合わせて作られているため、
トキワアジサイにはない豪華な花が魅力的です。
ブルーエレガンスとピンクエレガンスは形がほぼ同じで、花色だけが異なります。
花弁は4枚の一重咲きで、丸みの強い形をしています。
装飾花は大きく目立ちますが、花房自体はコンパクトなガク咲きタイプです。
フリルエレガンスは、葉や花のサイズ感はブルーエレガンスやピンクエレガンスと
同じですが、花弁の形が少し変わります。
フリルエレガンスの名の通り、花弁の縁に細かな切れ込みが入り、
まるでフリルのようなかわいらしい印象です。
花色は土の酸度によって、青~ピンクに変わります。
トキワアジサイを元に作られているためか、こちらも寒さには弱く、
5度以上の気温が必要になります。
・ハルハル
ハルハルは、改良品種の常緑アジサイ・冬アジサイの中では、一番新しい品種です。
常緑という点は他の品種と変わりませんが、スプリングエンジェルシリーズと同じように、
西洋アジサイと掛け合わせているため、観賞価値がとても高い品種です。
ハルハルの花は、花弁が4枚の一重咲きです。
けれど、装飾花の花弁1枚1枚がとても大きく、
また縁にフリルが入ったタイプなので、花弁同士が少し重なります。
そのため、一重咲きながらも、八重咲のような豪華さを持っています。
色は白が基本となります。
多少であれば、土の酸度に左右されず白色の花が咲きますが、
アルカリが強く出ると、ややピンクがかった色になることもあるようです。
ハルハルも寒さには弱いので、冬は室内管理がお勧めです。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方