春風のマーチ

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春風のマーチ

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春風のマーチ  C)園芸ネット本店

 

 

春風のマーチは、珍しい常緑アジサイの1品種です。
アジサイといえば、春に芽吹いて初夏に開花し、冬には落葉するのが普通です。

 

ところが春風のマーチは、冬でも落葉せずに葉を残す常緑の性質を持っています。
環境が合えば早い時期から開花を始めるのも、春風のマーチの特徴です。

 

そんな春風のマーチには、常緑以外にどのような特徴があるのでしょうか。
また、育て方には何か特別なコツがあるのでしょうか。

 

 

[春風のマーチ]

 

 

■春風のマーチの特徴

 

・個性が出る花形
春風のマーチの花房は、アジサイではよく見かけるガク咲きタイプです。
小さな両性花が中央に集まり、その周りに大きな装飾花が咲きます。

 

ガク咲きタイプは両性花と装飾花のサイズの差が大きいのが特徴ですが、
春風のマーチは特に両性花と装飾花の大きさに差が出ます。

 

これは装飾花の花弁が大きく、それによって装飾花がとても大きくなるためでしょう。

 

装飾花自体は、花弁が4枚ほどの一重咲きなので、
八重咲きのようなボリュームはありません。

 

それでも、花弁が大きく厚みもあるので、見ごたえがあります。

 

花弁の縁には切れ込みが入りますが、この切れ込みの入り具合は、
個体差が出ることがあります。

 

切れ込みが花弁の付け根近くにだけ出現するものや、
花弁の縁全体に出るものなど、株ごとに少し異なります。

 

そのため、好みの花形を入手したいのであれば、
開花している株を見て回るのが確実です。

 

春風のマーチの両性花は小さいですが、開花後半になると開いてきます。
ただ、小さい分あまり目立ちません。

 

それでも小さな花弁を開き、短いしべを出す様子は、とても愛らしいです。

両性花はあまりぎゅっと詰まったようには集まらず、少し広がって咲きます。

 

咲き始めの頃は、蕾同士がくっついてようになっていますが、
開花が進むにつれ、少しずつ広がっていきます。

 

花自体が小さく、開花した時の様子がカスミソウのようにも見え、
大きな花弁の装飾花と相まって、1つの花房で小さな花束のようにも見えます。

 

 

 

 

・色で変わる雰囲気
春風のマーチは、常緑という特殊な性質を持ったアジサイですが、
多くのアジサイ品種がそうであるように、土の酸度によって花色が変わります。

 

土が酸性ならブルーに、アルカリ性ならピンクになります。
その間の酸度なら、青紫や赤紫などに代わり、色の変わり方のバリエーションが多いです。

 

どの色に咲かせても比較的発色が良いので、ブルーやピンクといった色で購入した後も、
自然に任せて色を変化させるのも楽しそうです。

 

もちろん、酸度を調整しておくことで、咲かせたい色に調整することもできます。

 

開花が始まると、装飾花の方が咲きに開花する分、色が入るのも装飾花が先です。

装飾花が咲ききった頃から、両性花の蕾も色づき始めます。

 

両性花も装飾花と同じような色に染まるため、統一感があります。

 

その後、両性花が開花すると、両性花の花弁自体が目立たなくなるため、
色もあまり感じなくなります。

 

アジサイは色の移り変わりも魅力の1つですが、
春風のマーチはその魅力を最大限に生かした品種です。

 

 

 

 

・常緑で四季咲き
春風のマーチの最大の特徴といえば、やはり常緑という点でしょう。
冬になっても葉を落とさないため、落葉して寂しくなることがありません。

 

また、環境が合えば、2月~3月という早い時期から花を咲かせ始めます。

 

しかも四季咲き性もあるので、咲き終わった後に切り戻しておけば、
また6月頃に花を楽しめます。

 

アジサイは通常、一度しか花を咲かせないため、
咲き終わると寂しい気持ちになることも多いですが、
春風のマーチなら次の花を待つ楽しみがあります。

 

ただ、常緑であるために、寒さに弱いです。
葉を落とさないためにも、寒くなってきたら室内で管理するのがお勧めです。

 

室内の日当たりの良い場所に置くことで、
葉もたくさん光を浴び、冬の間に弱るのを防げます。

 

また、早春に花も咲かせやすくなります。

 

装飾花が大ぶりなので、枝が折れたりしないか心配になりますが、
枝自体はとても丈夫なので心配いりません。

 

長くなってきた時に、自重で曲がることがあるので、
その場合はあんどん支柱などを使って、支えてあげましょう。

 

葉色は少し濃いめのグリーンで、形がやや細長いのが特徴的です。
縁のギザギザも細かく、パッと明るい花房をよく引き立たせてくれます。

 

性質は丈夫なので、本来は庭植えも可能ですが、
冬に室内に取り込むことを考えると、鉢植えで育てるのがお勧めです。

 

どの色に咲かせても花色が明るいので、
1株で鉢に植えていても見ごたえがありますし、他の植物とも合わせやすいです。

 

 

■春風のマーチの育て方のポイント

 

水やりや追肥に関しては、一般的なアジサイと同じです。

冬の寒さに弱いので、霜が降り始めたら室内に取り込みます。

 

暖房がよく効いた部屋よりも、涼しい場所の方が締まった株に育ちます。

新枝に花芽を付けるので、剪定は花が終わった頃に行います。

 

花色は土の酸度によって変わるため、咲かせたい色がある場合は、
酸度調整が必要になります。

 

どの色に咲かせても美しいので、無理に酸度調整はせず、
自然に任せても良いでしょう。

 

ただし、春風のマーチは鉢植えで育てることが多い品種です。
鉢植えにする場合は、定期的な植え替えが必要となります。

 

■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方


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アジサイの種類

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