アジサイ 室内の育て方
ガクアジサイ
アジサイは梅雨時期の雨を風情あるものにする、不思議な魅力のある花です。
できれば室内で育ててみたいというかたも多いです。
庭植えにしているのをよく見かけるアジサイですが、
室内では、育てることができる環境や条件があります。
本来は戸外で育てることが多いため、
室内で育てるためにはいくつかのポイントをご紹介します。
[アジサイ 室内の育て方]
■品種によって違う栽培環境
アジサイにはとてもたくさんの品種があります。
大きくわけると、日本で古くから栽培されているガクアジサイ、
日本のアジサイが海外に渡って改良された西洋アジサイ、
山で自生していたヤマアジサイの3つがあります。
それぞれに性質が異なりますし、さらにその中でも、
品種によって好む環境や性質が違っている場合があります。
まずは室内栽培に合う性質のものを探しましょう。
1. 一般的なアジサイ
一般的にホームセンターなどで販売されるのは、ガクアジサイが多いです。
品種名が不明なものも、ガクアジサイであることがほとんどです。
ガクアジサイの場合、日本の気候に合わせて改良されているものも多く、
日本の戸外の環境にとても合っています。
寒さにはとても強く、枝が折れなければ雪が積もっても平気な品種もあります。
夏の日差しは苦手なので、年間を通して半日陰に置くのが基本です。
ガクアジサイは、室内よりも戸外で管理し、
寒さに当てた方が花付きが良くなるので、室内管理には向きません。
西洋アジサイ
2. 寒さに弱い西洋アジサイ
西洋アジサイは、海外で改良されているため、寒さに弱いものが多いです。
そのため、冬場に戸外では0度を下回ることが増える地域では、
軒下などに置いて、土が凍らないようにする必要があります。
寒さが厳しい地域であれば、室内に取り込みますが、
暖房の効いていない部屋に置くようにします。
冬の間は寒さを避けるために室内に入れることもありますが、
春~秋の生育期間中は、日当たりの良い場所を好むことが多いのも、
西洋アジサイの特徴です。
西洋アジサイは、室内では日照不足となりやすいため、室内栽培は難しくなります。
3. 直射日光に弱いアジサイ
アジサイの中には、西洋アジサイのように日向を好むものもありますが、
反対に直射日光を嫌う品種もあります。
年間を通して、ほとんど直射日光を必要としない品種であれば、
室内での管理に向いています。
特に秋まで花をつけ続けるような秋アジサイと呼ばれる品種は、
強い日差しに当てない方が花が傷まずに済みます。
夏場も涼しい室内管理であれば、株の傷みも少ないのでお勧めです。
4. コンパクトに育つアジサイ
アジサイには大型に育ち、人の背丈を越えるようなものもあります。
また、新枝をたくさん株元から出し、生育スペースを広くとる品種もあります。
そういった大型品種は、鉢植えが基本となる室内管理には向きません。
反対に、コンパクトに育つ品種や、刈り込みしやすい品種は、
室内に置いても邪魔になりにくいのでお勧めです。
5. 購入直後の開花株
アジサイのシーズンに入った時、苗ではなく鉢花としてアジサイを購入したり、
プレゼントされることがあります。
そういったものの場合は、花が咲いている間だけ、室内で楽しめます。
開花中のアジサイは、直射日光に当てて高温の場所に置くと、
花が急速に咲き進み、花の寿命が早くなってしまいます。
また、直射に当たると花が乾燥してしまい、
本来は秋まで花がもつ品種も、すぐに茶色く傷んでしまうことがあります。
花を咲かせた状態で家に届いたのであれば、できるだけ長く花を楽しみましょう。
ただし、室内管理に向かない品種の場合は、
花が終わった後に戸外に出して管理してあげます。
ヤマアジサイ
■室内での育て方
アジサイを室内で育てる場合の育て方をご紹介します。
室内管理に合うアジサイは、
それ自体が一般的なアジサイと育て方が異なる場合が多いです。
好む環境などの違いを把握し、大事に育ててあげましょう。
・置き場所
室内で育てられる品種は、たいていの場合、直射日光を嫌います。
半日陰程度まで育つ品種であれば、秋~春までは日当たりの良い窓辺に置きます。
強い日差しを嫌う品種や、秋アジサイのように花を長持ちさせたい品種の場合は、
開花期以外は午前中に少し日の当たるような場所に置き、
午後からは直射の当たらない場所を選びます。
開花中は、直射に当たると花が咲き進んでしまうので、
直接、日光に当たらない、涼しい場所に置くようにしましょう。
どのような品種でも、冷房や暖房の風が直接当たらない場所に置きます。
夏は涼しい環境を好むため、冷房がかかっている部屋に置いても構いませんが、
エアコンや扇風機の風が直接当たらないように注意します。
冬はある程度の寒さに当てた方が、締まった株に育つので、
できれば暖房のついていない部屋に置いておくのがお勧めです。
どうしても暖房のついた部屋しかない場合は、暖房の風を絶対に当てず、
できるだけ涼しい風通しの良い場所に置くようにします。
アジサイの発芽
・水やり
基本的な水やりは、鉢植えのアジサイを育てる時と同じです。
土の表面が乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
アジサイは水を好む植物ですが、過湿にしすぎてもいけません。
鉢皿に溜まった水をそのままにすると、根腐れの原因になることがあるので、
水やりの後に溜まった水は捨てるようにしましょう。
開花中や、葉がよく茂っている生育期間中は、水をよく吸い上げます。
毎日鉢土の状態をチェックし、乾いていたら水を与えましょう。
・追肥
追肥も、鉢植えのアジサイと同じです。
特に多肥にする必要はないので、
寒肥と花が終わった後のお礼肥を与えておく程度で大丈夫です。
・剪定
剪定は品種によって異なります。
一般的な品種であれば、花後に剪定を行います。
アナベルのように、春から出る新枝に花がつく品種の場合は、
春に新芽が出るまでであれば、花後~早春まで剪定が可能です。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイ栽培 12ヶ月
・アジサイ 挿し木の仕方