紅孔雀
紅孔雀 C）こぼんさい
紅孔雀は、エゾアジサイの1品種です。
エゾアジサイは、ヤマアジサイより大きいながら、
ヤマアジサイの楚々とした雰囲気や野性味のある雰囲気も持っているため、
密かに人気があります。
紅孔雀には、どのような特徴があるのでしょうか。
また、育て方には何かコツがあるのでしょうか。
[紅孔雀]
■紅孔雀の特徴
・楕円形の花房
アジサイの花房にも種類があり、
主にガク咲き・テマリ咲き・半テマリ咲きの3つに分けられています。
どの形もとてもキレイで、上から見た時に丸みのある形をしていることが多いです。
けれど、中には少し変わった形をしたものもあります。
紅孔雀はガク咲きタイプの花房です。
両性花が中央に集まっていて、その周りに装飾花が囲むように咲きます。
紅孔雀もこれは変わりませんが、中心に集まっている両性花がやや横長にまとまっていて、
その両端に装飾花がやや寄った状態で咲くため、楕円形になります。
すべての花房が楕円形になるわけではありませんが、
装飾花が両端に寄った場合は楕円形に見える形となります。
紅孔雀の両性花はとても小さく、蕾のうちはつぶつぶとした質感が可愛らしいです。
両性花もきちんと開花するタイプで、両性花も星形で整ってはいるものの、
開花しても花弁は目立ちません。
その代わり、しべが少し飛び出てくるので、ふわふわの絨毯のようにも見えます。
装飾花は花弁が4枚～5枚の一重咲きで、
花弁は丸みのある形をしているのでとても愛らしいです。
紅孔雀の花は梅と桜の中間のような形をしていて、
装飾花だけ見るとアジサイらしからぬ不思議な魅力があります。
けれど花房全体で見れば、やはりガク咲きということもあって、
アジサイそのものの魅力でいっぱいです。
・愛らしい桃色
アジサイは土の酸度によって、青から赤に変化するものが多いです。
紅孔雀は土の酸度によって花色があまり変わりません。
基本の色はピンク色で、花の形と相まって愛らしさが増しています。
装飾花と両性花の色は同じですが、両性花の方がやや濃いめに色が出ますが、
花色は同じなので花房全体に統一感があります。
ピンクといっても落ち着いたピンク色なので、
どちらかというと桃色という表現が合っています。
色は落ち着いていますが、発色は良いので色の出方がキレイです。
土の酸度での色の変化は少ないですが、ピンク系の品種なので、
土が酸性になると少し青みがかった紫のような色になることがあります。
ピンクの発色を良くするなら、アルカリ性に整えた方が良いでしょう。
・育てやすい
ヤマアジサイやガクアジサイに比べると、エゾアジサイはあまり流通していません。
けれど育て方は難しくなく、ヤマアジサイの育て方とよく似ています。
もともとエゾアジサイは日本に自生していたため、日本の気候にもよく合います。
ただ、ヤマアジサイよりもさらに直射に弱いところがあるので、
夏の暑さと日差し、乾燥には注意が必要です。
紅孔雀の枝はとても細く見えますが、
花房の重みで曲がったり折れたりすることはありません。
基本的には支柱なしでも問題ありませんが、枝が長くなって倒れやすくなった場合は、
あんどん支柱などを使って支えてあげましょう。
葉はヤマアジサイよりは丸みがありますが、ガクアジサイよりも小型なので、
花房の愛らしい雰囲気を壊すことはありません。
葉色はやや濃いめで、表面はマットな質感です。
花房の雰囲気も相まって、全体的に和風の雰囲気が出ますが、
洋風の庭にも合わせられる万能な株姿です。
ヤマアジサイより大きく、けれどガクアジサイよりも小型なので、
庭植えでも鉢植えでも育てることができます。
庭の一角に植えれば、梅雨のうっとうしい雨の中でも美しく咲いてくれます。
また鉢植えにすれば、季節によって置き場所を変えられるので、管理が楽になります。
■紅孔雀の育て方のポイント
基本の育て方は、一般のエゾアジサイと同じです。
基本の花色はピンクですが、土の酸度が酸性に傾くと、色が濁ることがあります。
キレイなピンクに咲かせたい場合は、土をアルカリ性に調整しましょう。
赤いアジサイ専用の培養土や肥料を使うと、比較的簡単に調整できます。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は？
・アジサイ 挿し木の仕方
