霧島の恵の育て方
霧島の恵
霧島の恵は、一般的なアジサイとは違った性質を持っているため、
非常に人気が高まっている品種です。
一般的なアジサイなら、初夏頃に花期を迎え、
花ガラを切った後は、枝葉のみになります。
ところが、霧島の恵は花ガラを切った後も、新しい枝が伸び、
10月頃まで開花を続ける四季咲きのアジサイです。
少し一般のアジサイと違った性質を持っているので、
育てるのが難しそうですが、手順を覚えれば難しいことは何もありません。
霧島の恵の詳しい育て方を、ご紹介します。
[霧島の恵の育て方]
■鉢植えでの栽培
・用土
霧島の恵も、一般のアジサイと同じように、土の酸性によって花色が変化します。
アルカリ性の土ならピンクに、酸性なら青色になります。
花色によって、用土を変える必要があるので、
使う用土を選ぶ際には、アジサイ用の用土を使うのがお勧めです。
アジサイ用の用土の中には、青い花用や赤い花用という風に、
最初から咲かせたい花色に合わせて、酸度を調整してくれています。
・鉢の大きさ
根がいっぱいになってくると、土が乾きやすくなり、生育も悪くなります。
少し大きめの鉢を選ぶようにします。
鉢花を購入するか、苗を購入するかによって、
最初に植え付ける鉢のサイズが異なります。
いずれにせよ、根鉢の一回りか二回り大きい鉢に植え付けるのが良いでしょう。
特に鉢花として購入したものは、地上部のサイズに比べて、
鉢が小さいことが多いです。
よく見ると、根が地表に浮いているケースも多いので、水切れしやすくなっています。
花が終わったら、剪定と一緒に鉢増しをしましょう。
苗で購入したものも、できるだけ早いタイミングで植え付けを行い、
水切れしないように管理します。
・鉢の置き場所
霧島の恵は、日向~半日陰まで、
広い範囲の場所で育てることが可能です。
日照時間が短い場所では、花数や枝の発生数が減ることがありますが、
よほど暗い場所でなければ、
日照不足によって枯れることはほとんどありません。
できるだけ風通しの良い場所に置き、
涼しい環境を作ると、花もちが良くなります。
日向でも育てられる品種ですが、
鉢栽培では真夏に水切れを起こしやすくなります。
真夏の間だけ、午後から日陰になるような場所に移動させることで、
過度な乾燥を防ぐことができます。
・肥料
霧島の恵に与える肥料は、花後の追肥が基本となります。
花ガラを切った後、置き肥を与えるか、
1週間に1回のペースで液体肥料を与えます。
植え替えを行った場合は、
使用する用土に元肥が含まれていれば、追肥は不要となります。
秋に花が咲き終わり、気温が下がってきたら、最後の置き肥を与えます。
その後、春に芽吹いて花が咲くまでは、追肥は不要です。
・水やり
鉢土が乾いたら、たっぷりと与えます。
土が乾燥すると、葉が萎れて傷んだり、
根が弱ることがあるので、水切れには注意します。
霧島の恵、ブルーも爽やかです
・剪定
霧島の恵は、新枝咲きの性質を持ったアジサイです。
花ガラを切った後、新しい枝を伸ばし始め、その先端にまた花芽をつけます。
そのため、春~秋までの間に、何度も花を咲かせることができます。
ただし、枝をどれくらい切り戻すかによって、
次に咲く花の時期や大きさ、数が変わります。
ばっさりと切り戻し、たくさんの花を年に2回咲かせる方法と、
こまめに花ガラを切って、次々と花を咲かせる方法です。
年2回咲かせる方法は、とても簡単です。
6月頃の花が終わった後、株元から3cmほどのところで、ばっさりと切ります。
すると、株元から新しい枝が伸びてきて、秋にまたたくさんの花を咲かせます。
ばっさりと切り戻すため、花も大きめで見応えがありますし、
株もコンパクトにまとめやすいです。
次々と咲かせたい場合は、6月に花が咲いた後、
花色が悪くなってきたら、花のすぐ下で切って花ガラを取り除きます。
その後、また枝が少し伸びて、先端に花が咲きます。
花ガラを切って咲かせると繰り返すので、年に何回か繰り返し咲きます。
花が小ぶりになりやすく、枝も長く伸びやすいので、
株全体が大きくなりやすいです。
どちらの剪定法で育てる場合であっても、
秋の最後に咲いた花は、秋色になるまで置いておくことができます。
通常の花色が少し褪せて、独特の花色になる秋色アジサイは、
なんともいえない美しさがあります。
秋色アジサイになった後は、株元までばっさりと切り戻し、
翌年の芽吹きを待ちます。
白から薄いピンクに移ろうのも良いです
■庭植えでの栽培
・用土
水はけを水もちの良い、一般のアジサイと同じ用土で育てます。
土の酸度によって花色が異なるので、
咲かせたい色が決まっている場合は、酸度調整を行います。
・植え場所
鉢植えと同様に、日向~半日陰で育てることができます。
風通しの良い場所の方が、花や葉が傷みにくく、
病害虫も出にくいのでお勧めです。
地植えは鉢植えよりも水切れしにくいことが多いので、
真夏でも日当たりの良い場所で構いません。
ただ、乾燥が少し気になる場合は、午後から日陰になるように、
寒冷紗や遮光ネットを使って、日陰を作っておくと良いでしょう。
・肥料
庭植えにして育てる場合も、鉢栽培と肥料の与え方は同じです。
6月に花ガラを切った後、置き肥か1週間に1回の液体肥料を与えます。
秋に気温が下がってきた頃、最後の花ガラを切った後、置き肥を与えておきます。
・水やり
どのような土で育てている場合でも、
土と株の状態を見ながら、必要な時に水を与えます。
地上部に枝葉がよく茂っている時は、
水分をよく吸うので、土も乾きやすいです。
けれど、地上部をばっさりと剪定した後は、
葉も減って蒸散量が減るので、土も乾きにくくなります。
土の乾き具合によって、土が乾きやすいかどうかも変化するので、
乾いていると感じた時に、与えるようにします。
無理にたくさんの水を与えると、根が窒息して根腐れを起こします。
・剪定
剪定方法は、鉢栽培と同じです。
咲かせたい時期や花の大きさ、育てたい株の大きさによって、
剪定のタイミングや強さを変えてください。
新枝咲きの品種なので、落葉した後も芽吹くまでの間に、自由に剪定できます。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方