アジサイ 高温障害
暑さに弱っているアジサイ
アジサイは、梅雨の頃に美しい花を咲かせます。
雨に当たっても花の美しさがかすむことはなく、むしろ雨の中で咲くアジサイには、
特有の美しさがあります。
そんな雨には強いアジサイですが、梅雨が明けた後の夏には、少し弱いところがあります。
特に高温の環境が続くと、高温障害が発生することがあります。
アジサイが高温障害になると、どのような症状が出るのでしょうか。
また、高温障害が出る原因と、その対策もご紹介します。
[アジサイ 高温障害]
■主な症状
・葉の異常
アジサイが高温に当たり続けると、葉に症状が出ます。
高温によって葉の縁が縮れたようになったり、葉焼けのような症状が出ます。
特に、水分が多い新芽部分が縮れた症状が出やすく、
縮れの症状が出た後も環境が改善されなければ、
そのまま茶色く変色して枯れこむこともあります。
また、高温に当たり続けることにより、他の生理障害も併発して、
葉の白化症状が出ることもあります。
この症状もまた、新しい葉で起こりやすい症状です。
・花が傷む
花が咲いている時に高温に当たると、花が枯れるのが早くなります。
アジサイは装飾花と呼ばれる、本来の花とは違った部分が装飾花として発達しています。
そのため、一般的な花弁の薄い植物に比べると、雨などに強いという特徴があります。
ところが、直射に当たって高温状態が続くと、花が咲き進むスピードが早くなり、
そのまま乾燥したり変色したりしてキレイな状態が保てず、枯れてしまいます。
地植えでも、あまりに高温が続くと弱ってきます
■主な原因
・高温と直射
高温障害が起こる原因は、アジサイを育てている場所が高温になることと、
強い直射が当たっていることです。
アジサイは、基本的には半日陰程度の環境を好みます。
もちろん、西洋アジサイなどの中には、日向を好むものもありますが、
一般的には明るい日陰~半日陰で育てるのが基本です。
寒さには強いですし、冬は落葉して休眠状態となっている場合が多いので、
冬の間も半日陰程度で問題ありません。
むしろ問題になるのは、夏の暑さです。
夏はただでさえ気温が高くなる上に、日差しも冬に比べるとかなり強いです。
そのような時に、風通しが悪く直射が当たるような場所に置いていると、
高温と直射のダブルパンチで、高温障害の発生が増えます。
■対策
・直射を避ける
アジサイを育てる時は、年間を通して日向を好む品種以外は、
夏の間は直射を避けるのがお勧めです。
鉢植えであれば、夏の間だけ直射が当たらない、
明るい日陰~半日陰の場所に移動します。
地植えにしていて、季節によって動かすのが難しい場合は、
アジサイよりも大きな植物を近くに植えて意識的に陰を作るのがお勧めです。
大きな植物を植えるのが難しい場合は、遮光ネットなどを使うのもお勧めです。
花が咲き始めた頃から直射を避けておくと、花が長持ちしますし、
秋色アジサイまで楽しめる品種の場合は、花の保持がしやすくなります。
秋色アジサイにするため、花が咲いた後から室内で管理する場合は、窓辺に置きます。
戸外より室内の方が直射の威力は弱くなりますが、それでも直射が当たるのは避けます。
窓辺に置く時も、レースのカーテン越しの柔らかい光が当たる程度にしておくと、
葉焼けや花の変色を抑えることができます。
半日陰に移動し、調子が戻ってきたアジサイ
・風通しを良くする
直射が当たらない場所でも、風通しが悪い環境だと、
夏に空気がこもって高温になります。
さらに無駄な湿気もたまりやすくなるため、いくら乾燥が苦手なアジサイであっても、
そのような場所では生育が悪くなります。
風通しが悪いと、高温障害が起こりやすくなるだけでなく、
病害虫被害が発生する可能性も高くなるので、注意が必要です。
■判断基準
高温障害は水切れと症状が似ていますが、
水をたっぷり与えていても症状が改善されない場合は、高温障害と考えて良いでしょう。
ただ、アジサイはもともととても丈夫な植物です。
ある程度の悪環境には耐えられるので、
栽培環境に少し注意するだけで、高温障害は簡単に予防できます。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方