地植えの大きなアジサイを小さく
大きく育っているダンスパーティー
アジサイを地植えにして何年も育てていると、
最初は小さかった苗もだんだんと大きくなっていきます。
大きくなるのは良いことだとしても、
想定以上に株が大きく育ってしまうと、スペースの問題も出てきます。
地植えのアジサイが大きく育った時、小さくする方法はあるのでしょうか。
[地植えの大きなアジサイを小さく]
■大きく剪定する
大きくなったアジサイを一気に小さくする一番の方法は、剪定です。
通常のアジサイの剪定では、花茎の伸びた節から2節~3節下のところで切ります。
時期も花後すぐに行うのが普通です。
ただ、この剪定の仕方だと、どうしても年々節の数が増え、
枝が伸びて株が大きく育っていってしまいます。
これを一気にリセットするためには、強剪定が必要となります。
地植えの状態で剪定を行うので、たいていの場合は強く切っても根が生きているので、
春になるとまた新しい芽(枝)が出てきます。
ただ、中には強すぎる剪定のショックなどにより、
うまく新芽を発生させることができず、調子を崩したり、枯れたりすることもあります。
ダメ元で地際から切るのも手の1つではありますが、
一番確実なのは、一番下に発生している芽の上で切ることです。
一番下の芽の上で切ることで、少なくてもその芽は生き残ることになります。
強剪定を行うと、どうしても次のシーズンに花が咲きにくくなるというデメリットがあります。
けれどその分、古い枝を整理でき、
株の大きさも調整することができるというメリットが生まれるので、
アジサイの大きさに困っている方は、ぜひ試してみてください。
◎剪定する時のポイント
・思い切って剪定する
強剪定を行う時は、ためらわずに思い切って行うのが鉄則です。
中途半端な場所で切ると、そこからまた勢いよく枝が伸びるため、
結局は株のサイズをほとんど変えることができなくなります。
最低でも、株元から15cm以内に切るようにすると、
次のシーズンは花が咲かなくても、株全体を小さくすることができるようになります。
・剪定時期は11月
通常の剪定時期は7月頃ですが、強剪定を行う時は、11月に行うようにします。
花後の剪定は通常と同じように行い、11月にもう1度、強く剪定をし直します。
アジサイは落葉樹なので、葉を落としている間が最も鈍感になります。
落葉する時期である11月頃であれば、強い剪定をしても失敗するリスクが減ります。
暖地なら12月~2月の厳寒期でも良いのですが、
あまり寒いと株が傷むことがあるので、避けた方が無難です。
剪定しても小さくならない場合は、根を切ります
■根を切る
強い剪定を行っても、根がよく張った状態になっていると、
新しく発生した枝もかなり勢いよく伸びてしまい、すぐに元のように大きくなってしまいます。
そんな時は、根を切る方法を試してみてください。
感覚としては、鉢植えにしているアジサイを植え替える時に、
根を整理して鉢のサイズを変えないのと似ています。
大きく張ってしまった根を切ることで、株の勢力が一時的に落ちます。
元気よく育っている根を切るのは怖いものですが、いったん短くしても、
また新しい根が発生して伸びるので、むしろ株のリフレッシュにもなります。
やり方はとても簡単で、地植えにしているアジサイの株元から、
20cm~30cmほど離れた場所にスコップを入れ、根を切ります。
株周りを1周するようにスコップを入れるだけなので、作業としては簡単です。
◎根を切る時のポイント
・3月に行う
アジサイの植え替えなどの作業は、
初夏に行うことが多いですが、根を切る場合は3月に行います。
アジサイは落葉樹のため、冬の間は根がほとんど動いていません。
この時をねらって根を切るのが良いのですが、
真冬だと新しい根も発ししないので、強い寒さに当たると、根を傷めることがあります。
3月くらいになると、根が少しずつ動き出してくる時期なので、
根を切ってもまたすぐに新しい根が伸びてきます。
・剪定とセットで行う
根を切ると、吸い上げる水分や養分の量が減ってしまいます。
なのに地上部をそのままにしておくと、
根が吸い上げる量と必要としている量が合わず、調子を崩すことがあります。
根を切る時は、地上部もそれに合わせて強く剪定し、小さくしておくのがポイントとなります。
株を小さくした後は↓
■株を小さくした後の手入れ
強剪定や根を切る作業をして株を小さくした後は、
できるだけ小さくしたまま保ちたいですよね。
株を小さくした後、それまでと同じ手入れをしていると、
あっという間にまた大きく育ってしまうことがあります。
一番の原因は、肥料です。
いくら根を切ったからといっても、肥料がたっぷりと与えられていれば、
それだけ株が大きくなりやすくなります。
特に窒素が多い肥料では、枝葉がよく茂るようになるため、
窒素が多いものは避けるようにします。
また、与える量においても、株が小さくなった分、減らす必要があります。
アジサイはもともと丈夫で育てやすい植物です。
やや控えめにしておいても、十分育ちます。
むしろやや控えめにして、ゆっくりと育っていくのを楽しむのも良いでしょう。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方