アナベル
アナベル
アナベル(Annabelle)は、古くから日本で親しまれているアジサイとは、
少し趣きの異なる外国種のアジサイです。
北アメリカが原産で、別名アメリカノリノキと呼ばれています。
日本には30年ほど前に入ってきたとされていますが、
すでに人気も定着している品種です。
海外でも人気は高く、イングリッシュガーデンには欠かせない花となっています。
蕾が上がり始めてから、長い期間観賞することができ、
花を切った後もドライフラワーにして楽しむこともできます。
アナベルの特徴と育て方のポイントをご紹介しましょう。
[アナベル]
■アナベルの特徴
アナベルの特徴は、小花がたくさん集まって、ボール状に大きな塊を作ることです。
1つ1つの花は大きくありませんが、密集して大きくなっているため、
とても美しく見応えがあります。
剪定の仕方によって花の集まる大きさが異なり、大きくなるように仕立てれば、
直径で20~30cm以上の花の塊を作ることができます。
葉の大きさや色、形などは普通のアジサイととてもよく似ています。
枝は直立して伸びるのですが、枝がとても細く、
花の重みによってやや倒れ気味になることが多いです。
花は白が基本で、一般的なアジサイのように、
土の酸度で赤や青に変化することはありません。
蕾の時は黄緑色をしていて、開花すると純白の花になります。
その後、白からまた黄緑色の変色していくため、
枝につけた状態でも長く楽しむことができます。
花が白から黄緑に変化した頃に摘めば、ドライフラワーに加工できます。
最近では、白色種の他に、花がピンク色の「ピンクアナベル」も流通しています。
雨のあとに花が重たくなるので、軽く揺すると良いです
■アナベルの育て方のポイント
アナベルは他のアジサイとは少し育て方が異なります。
・日当たり
まず、アナベルは日当たりの良い場所を好みます。
半日陰くらいの場所で育てても、枯れはしません。
ただ、日照不足によって徒長したり、花付きが悪くなります。
・剪定
他にも、剪定方法が違います。
一般的なアジサイの場合、夏~秋にかけて花芽を形成するため、
花が終わった後に剪定をするのが基本です。
ところがアナベルは、春から伸びた新しい枝に花芽を作るため、
春までに剪定を行うことができます。
さらに新枝に花芽がつくため、毎年強剪定が可能になります。
2節~3節ほど残す強剪定を行えば、新枝の数が少ないものの、
養分が大きく分散しないため、花の塊が大きくなります。
反対に長めに残して剪定すれば、新枝の数が増えます。
枝数が増えた分、養分が分散し花の塊は小さくなり、枝数が多くなります。
花が大きいので、気遣って剪定します
花数を減らして大きくするか、花数を小さくして数を増やすかは、
自分の好みで仕立てることができます。
アナベルは寒さにもとても強いため、冷涼な地域でも育てやすい品種です。
冬は新芽がほとんど動いていないため、寒さで新芽が傷むこともありません。
また、枝を短く剪定できるため、枝は細くても雪の重みで枝が折れる心配も減ります。
むしろ花が咲いている時期の方が、花の重さで折れることがあります。
特に雨が降った後は、花が密集している部分に水が溜まり、一段と重くなります。
雨上がりには、軽く枝をゆすって水滴を払うと、枝が折れにくくなります。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイ栽培 12ヶ月