おはよう
おはよう C)加茂花菖蒲園
おはようは、加茂花菖蒲園が作出したガクアジサイの品種です。
もともとは「フラメンコ」という名前で販売されていた品種ですが、
諸事情により「おはよう」に名前が変更され、流通するようになりました。
おはようというアジサイには、どのような特徴があり、
育て方にはどのようなコツがあるのでしょうか。
[おはよう]
■おはようの特徴
おはようは、ガク咲きタイプのアジサイで、
中心の両性花が固まり、両性花の塊を囲むように装飾花が咲きます。
装飾花は、とても大きく、
時には1つの装飾花が8cm以上になることもあるのだそうです。
八重咲きである上に、花弁が20枚近くにもなるため、
1つの装飾花でとてもボリュームがあります。
花弁も丸みを帯びているタイプなので、
まるでバラの花のようにも見えるほどです。
花弁の縁には、細かい切れ込みが入り、
咲き進むにつれてフリルのように波打ってくるのも特徴です。
中心の両性花も八重化していて、咲き進むにつれて発達し、
盛り上がるようになってくるので、さらにボリュームが出てきます。
たくさんの両性花が1か所にぎゅっと集まっているというよりは、
少量の両性花の塊がいくつか集まったものの回りに、
装飾花が咲くような形になっています。
そのため、両性花の塊の中にも適度に隙間があくため、
ボリュームがあっても窮屈な感じはありません。
これほど両性花・装飾花ともにボリュームのある品種も珍しいですが、
ゴテゴテと装飾過多にならないのは、花の色のおかげかもしれません。
最初は黄緑がかった白色の花が、
だんだんと外側から色に染まり始め、最終的には花全体が染まります。
藤色も美しい C)加茂花菖蒲園
色の幅は広く、アルカリならピンク、中性なら薄紫、
酸性なら青色に変化します。
どの色も、濃い色にはならず、けれどはっきりとした色合いになります。
それなのに透明感も持ち合わせているので、
爽やかな空気が感じられる、美しい花色をしています。
葉の大きさは、一般的なアジサイと変わりませんが、
葉の色は栽培している環境などで、色の濃さに差が出る場合があります。
枝の太さも普通くらいなので、折れたりする心配がありません。
大株に育った場合は、あんどん支柱などを使って支えてあげると安心です。
■おはようの育て方のポイント
基本の育て方は、一般的なアジサイと同じで問題ありません。
おはようは、土の酸度によって花色がかなり変化する品種です。
プレゼントとしても人気があり、ピンク色に合わせることが多いようです。
販売店でもピンク色に咲かせていることが多いですが、
土の酸度を変更すれば、もちろん花色を変えることも可能です。
土をアルカリ性にすればピンクに、
中性に近く調整すれば薄紫に、酸性に傾ければ青色になります。
鉢植えで育てる場合は、専用の培養土を使うと便利です。
庭植えにする場合、土の調整した後に植え付ければ、
1年か2年くらいは花色が安定することが多いですが、
その後は手入れをしないと、花色が安定しなくなることがあります。
特に日本は雨が多く、自然と土が酸性に傾きやすくなっています。
最初はアルカリ性にしていてピンク色の花をつけていたとしても、
何年かすると、土が酸性になってしまうことで、
花色が青に変わることがあります。
できれば毎年、苦土石灰などを土に加えて酸度調整しておきましょう。
また、与える肥料を、好む色のアジサイ用にするのがお勧めです。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイ 挿し木の仕方
・アジサイの剪定方法