フェアリーアイ
フェアリーアイ C)千草園芸
ガクアジサイのフェアリーアイは、
2006年の日本フラワー・オブ・ザ・イヤーで最優秀賞を受賞した品種です。
フェアリーアイは、育て方のコツを覚えれば育てやすく、素晴らしい品種です。
近年人気が上がってきている秋色アジサイとして育てることもできます。
[フェアリーアイ]
■フェアリーアイの特徴
フェアリーアイの花房は、開花しはじめる頃は両性花が中央にあり、
それを囲むようにして八重の装飾花がつきます。
これが咲き進むにつれて両性花が隠れ、
装飾花のみ半てまり状に咲いているように変化します。
その後、秋色アジサイとなるまで、
花を残しておいても、半てまりの形状は変わりません。
装飾花は八重咲きなのですが、
花色が優しい色なので、派手すぎることはありません。
どちらかというと明るくて柔らかい印象が残ります。
花びらに厚みがあるため、花もちが非常に良いのが特徴的です。
そのため、上手に管理できれば、秋まで花を楽しむことができる上、
秋には花色も変わるので、長期間変化しつつ楽しませてくれます。
花色は土の酸性度によって変わります。
以前はピンク色の流通が多かったのですが、
最近はフェアリーアイ ブルーという名前で、青花の流通も増えました。
最初はピンクやブルーだった花が、夏頃には黄緑色に変化します。
そのまま秋まで花を保つことができれば、
寒暖の差によって花弁の色が黄緑から赤へと変わります。
花びらの付け根部分には、少しながら黄緑が残り、
他の部分は濃い赤へと変わるため、
初夏~夏~秋と花の色が変わるたび、花のイメージが変わります。
枝は太くも細くもありませんが、枝が長い状態で大きな花房がつくと、
折れるまではいかなくても、枝が倒れてしまうことがあります。
その場合は、支柱を立てて補強してあげましょう。
葉はオーソドックスなアジサイの葉の大きさと形をしています。
■フェアリーアイの育て方のポイント
フェアリーアイは水切れに弱いので、
春~落葉するまでは土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。
冬は根があまり生育していないので、少し乾かし気味に管理しても構いません。
軽く水が足りない程度であれば、水を与えれば戻りますが、
完全に水を切らせてしまうと、水を与えても戻らないので注意します。
購入した鉢花の鉢が、株に対して小さすぎると、水切れを起こしやすくなります。
フェアリーアイは、真冬と真夏以外は植え替え可能なので、
鉢が小さいと感じたら、根鉢を崩さないようにして植え替えます。
この時、元の鉢より一回りか二回り大きい鉢を選ぶようにしましょう。
生育が良く、肥料は他より少し多めにすると、
生育も良くなり、花付きも良くなります。
・肥料
生育期間である春~秋の間は、
緩効性肥料を与えて肥料が切れないようにしておきます。
新芽が伸び、根も伸長を始める春は、
緩効性肥料に加えて液体肥料を与えるのもお勧めですが、
加減が分からないうちは緩効性肥料だけ与えておくだけでも十分です。
・日当たり
一日中光の当たるような場所よりも、
午前中には光が当たって、午後から日陰になる半日陰の場所を好みます。
冬の間は、戸外でも越冬は可能ですが、霜には当てないようにします。
日当たりが良く、日中に気温の上がりやすい軒下などに置くのがお勧めです。
また、簡単な霜よけとして、株元にバークチップやワラなどを敷いておくのも効果的です。
・花色
花色は、土の酸性度を中性にするとピンクになり、酸性にするとブルーになります。
株自体は丈夫なので、比較的土は選びませんが、
酸性度によって色が変わるため、出したい色がある場合は、
酸性度に注意しておく必要があります。
6月終わり頃には、緑に変わってきます
◎秋色アジサイの楽しみ方
また、秋色アジサイを楽しむ場合には注意したいことがあります。
フェアリーアイの剪定の基本は、7月までです。
7月を過ぎると、花芽の形成が始まるため、
剪定すると花芽ごと落としてしまうことになります。
それでも秋色アジサイを楽しみたいという場合は、翌年の開花を諦めます。
育て始めて何年も経ち、株が大きくなって枝数も増えたら、
株の半分は7月までに剪定を行って翌年の花芽をつけさせます。
残りの半分は、秋まで花を残して秋色アジサイを楽しみます。
フェアリーアイを秋色にするためには、夏の間に涼しい環境に置くことが大切です。
そのため、暖地などだと秋色になる前に花が傷み、
秋色アジサイを楽しむのが難しい場合もあります。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイ栽培 12ヶ月