八丈千鳥
八丈千鳥
八丈千鳥は、ガクアジサイの品種です。
2006年に自生しているのが発見された、まだ新しい品種で、
少し珍しい咲き方をするということで、人気が高まっています。
八丈千鳥の特徴と、育て方のポイントをご紹介します。
[八丈千鳥]
■八丈千鳥の特徴
◎八丈島で発見されたアジサイ
八丈千鳥は、名前の通り、伊豆の八丈島で発見されたアジサイです。
発見されたのが2006年で、そこから販売に向けての繁殖が始まったため、
まだまだ新しい品種といえます。
アジサイは、土の酸度によって花色が変わる特性がありますが、
八丈千鳥の場合は、土の酸度では花色が変わらず、白一色です。
花形は、両性花が中央にあり、
その周りに装飾花が囲むように咲く、ガク咲きタイプです。
花房全体はとても大きく、花房1つでも見応えがあります。
装飾花の数に比べると、両性花が多いように感じますが、
両性花自体がぎゅっと詰まったように集まらず、少し散漫としているので、
空気感や抜け感があり、窮屈さがありません。
装飾花は真っ白な花が咲きますが、
両性花は開花してもあまり白っぽくならず、緑が多く残ります。
小さな両性花の周りに、白く大きい装飾花が羽ばたいた鳥のようにつく姿は、
どこかヤマアジサイのような楚々とした雰囲気も感じられ、見ていて飽きません。
八丈千鳥 C)千草園芸
◎咲く時期によって変わる花弁
八丈千鳥の花房全体の花形はガク咲きで、装飾花は花弁の数が多い八重咲きです。
しかも、花弁の形がとても細く、繊細な造りをしています。
けれど、この装飾花の花弁は、季節によって異なる形になります。
季節によってといっても、アジサイの花期といえば6月~7月です。
ところが、この八丈千鳥は、四季咲き性を持った品種なのです。
自生地である八丈島のような暖地であれば、冬期に落葉することがないばかりか、
開花するほどの四季咲き性を持っています。
寒冷地では、冬期に落葉するので、冬の開花を見ることはできませんが、
暖かい場所で管理すれば、冬の開花も期待できます。
四季咲き性で常緑の八丈千鳥は、開花する時の気温によって、
装飾花の花弁の幅が変わります。
初夏~夏にかけての暑い時期は、花弁の幅が広くなり、
冬のような気温の低い時期に開花すると、花弁の幅が狭くなり、
本来の八丈千鳥の花形となります。
もちろん、個体差や環境の差によって、
いつ咲いても花弁の幅が変わらない場合もありますが、
その時々によって違う表情を見せてくれるのも、八丈千鳥の魅力です。
◎濃い葉色が花を引きたてる
八丈千鳥の花は白色ですが、葉色は少し濃いめなのが特徴です。
葉の大きさは一般的なアジサイと同じくらいですが、この濃い葉色のおかげで、
白い花色がより引き立ちます。
枝はそれほど繊細ではなく、丈夫で折れる心配はありません。
ただ、枝の太さに比べて、大きな花房がつきます。
開花中に雨が降ると、水分を含んで花房が重くなり、枝が倒れてくることがあります。
晴れて水分が抜けると、またシャキッとした姿になりますが、
倒れて花が汚れるのが嫌な場合は、あんどん支柱などで支えてあげましょう。
日向~半日陰まで、広い範囲の日当たりに対応できます。
生長は比較的早く、大型の株に生長するので、庭植えにするのがお勧めです。
寒冷地などの寒い地域は、鉢植えにしておくことで移動が可能になるので、
管理が楽になります。
■八丈千鳥の育て方のポイント
基本の育て方は、一般的なアジサイと同じです。
四季咲き性があるので、剪定の時期は問いません。
花色も土の酸度に左右されないので、特に気にする必要はありません。
暖地で自生していた品種ですが、
耐寒性はあるので、寒冷地でも落葉状態で春を待ちます。
ただ、寒さによる芽飛びの可能性があるので、強い低温には当てないようにします。
軒下などに置いて霜が降りないようにし、寒風も当たらないようにしておきましょう。
暖地以外の地域でも、ある程度の気温の確保ができれば、
落葉せずに越冬することができます。
ハウスや温室などであれば、冬の間も開花を楽しめます。
■参考
・アジサイ 庭植えの育て方
・アジサイ 鉢植えの育て方
・アジサイの剪定方法
・アジサイの肥料は?
・アジサイ 挿し木の仕方